姫君の影武者
御鏡 鏡
第一部 『招待状』編 ギルディアスからの招待
第一章 招待状の件
第1話 ギルディアスという名の国からの招待状と招請状
はるか遠くに見えているのがギルディアス国の主都、ギルドシティーだった。
とても大きな都市でその辺の大都市(この場合の大都市とは大きな国の主都にあたるもの)が十数個は入るであろうというサイズであった、上空から見るとそれがよくわかるのである。
ギルドシティーのグラウンド・コントロールの指示に従って飛ぶ、大型艦船とはいえL(ラージ〔大型〕)-FPT(フライングパワートランスポーター〔飛行艦艇〕)-TMS(トランスポートマザーシップ〔輸送母艦〕)型一隻では足りなかったか? そう思わせる規模の大都市であり空港でもあった。
(ラージ-フライングパワートランスポーター〔略称:L-FPT〕大型空中艦艇[Large-Flying Power Transporter]全長:千三百メートルから千五百メートル未満のものをいう)
とはいえ私が用意できるものは、ほとんど無かったのだ。
こちらから指示や指揮は出せるが、機体や資材・補給物資を出すのは国元なのだ。
特に今回のギルドからの
簡潔に書くと、クアドロプル・デザイナーとしての知識を貸してほしいというものだった。
デザイナー(設計者)そのものはギルドにはかなりの数が居るはずであった。
なぜ私に? ギルディアスの
クアドロプル・デザイナーそのものは探さないと見つからないが……。
あと、それと共に
こちらはヨナ様からでは無かったが、ギルド最高評議長の印が押されていた。
よって持ってきたものは
(
(魔導機と魔動機の違い、魔導機は魔法の減衰なく百パーセント魔法を行使できるように設計されているのに対し魔動機は魔法を使うように設計時点で設定されていないため魔法減衰がかかり効果は二十五パーセント程度まで落ちるのだ)
(フラッグ・マシン、
現在、この国で出せる
起きていることにもよるが、内容も書かれてはいなかったのであった。
それに、ナイツの側の招請状に出兵する軍団の規模は書いていなかった。
つまりこの国が、ギルディアスに試されている証拠でもあるといえたのである。
少なくとも私は、そう思った。
今私たちの国が現在出せるのはこれくらいだ! というのを示せと言われているような気がしたのである。
旗機サイファードは、国元でも改良が進んでいるB+級の旗機である。
小国であるがゆえの少数精鋭を目指し、創られたものであった。
そして、その改良には私も加わっていた。
そこに私宛に招待状と招請状が来たのである。
国元の城の整備員の皆は行ってきてください、活躍をご期待申し上げます。
と口々にいってくれてはいるので改良現場を離れることによる心苦しさもあったが、招待されているので無視するわけにもいかず、それを受けることにしたというわけである。
今回は皆に
残るのはまだ幼い
王様いや父上様と呼ぶべきか? お后様いや母上様と呼ぶべきか? と迷っているうちに空港を出てしまっていた。
しくじったと思ったが顔に出すわけにもいかず、笑顔で手を振るしかなかった。
王様もお后様もこたびの件は知っているはずではあったが、笑顔で見送ってくださっていた。
私としては苦い経験ではあるが、笑顔で手を振らなければならなかったのである。
王様はコモン
かくいう私はニューレース・ナイツであった。つまりお二人の血を引いているといえるのではあるが、
だが、こたびの件はいずれ話すとして、まずは今回の話をしよう。
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