第15話 友人の緊急襲来イベント①

土曜日の昼

今日は予定も無く……いや今日も予定は無く、家でダラダラとしていた。

まだ読まずに貯めておいたラノベも既に読み終え、勉強くらいしかやる事が残っていない。

だが今日はそんな気にもなれず、かと言って他に何かする訳でもなく横になってぼーっとしている。


「……白瀬そのなんだ……別にいいんだけどグータラし過ぎじゃないか?」


「家の中が暖かくて動きたくない……です」


「いや……分かるけど別にここでグータラしなくてもよくないか?」


遥花は鍵の件以来ずっと音絃の家に入りびたっていて、風呂と寝る時以外はずっとこの家にいる気がする。

居心地がいいからいてくれているのだろうから悪い事ではないのだが、音絃の心臓には非常に悪い。


「私はここがもう一つの家だと思っていますよ」


「そか。それはようございました」


学校がある平日は音絃よりも早く帰ってきて夕食の支度をしてくれていて、下手したら朝起きるとキッチンに立って朝食を準備している事もある。


なんというか、新妻にいづま感がいなめない。

勘違いはなはだしいのは分かっているがそう思わずにはいられない。


「そういえば黒原くん」


「どした?帰りたくなったか?」


「どうしてすぐ家に帰したがるんですか?」


「特に深い意味は無いから気にするな」


遥花はむぅーと小さな頬を膨らませて不満そうな顔をする。

音絃はその膨らんだ頬に手を伸ばし軽くつついてみるとぷしゅーと口いっぱいに溜めていた空気が抜けていく。


「ははは、可愛いなほんとに……」


「うぅぅ……ズルいです。黒原くんの……バカ」


「バカでも……いいかもな」


頬をつついていた手をそのまま遥花の頭に乗せてサラサラな髪を撫でる。

黒くあだやかな髪は音絃の指の間をすり抜けていく。


「明日はごめんな」


「全然大丈夫ですよ。そもそも入り浸っているのは私の方ですし……」


「分かっているなら自重しろよな」


「ふふふ、嫌ですー」


遥花は聖女様から、いたずらっぽい笑顔を浮かべ小悪魔こあくまモードに切り替わる。


「そんな事言うならもうご飯作ってあげませんー」


「それは……困る。謝るから許してくれ」


「嘘ですよ!?そんなに焦らなくてもいいですからね!?」


遥花の作る手料理が美味し過ぎてその味に慣れてしまい、前のようなカップ麺生活には戻れそうにない。


「もう白瀬が居てくれないとダメみたいだな。一人じゃ生きていけなそうだよ……」


「ひゃい……?!そ、その……嬉しいですけど不意打ちはダメです……」


遥花はまた赤面する。

まだ褒められる事には慣れていないらしい。


「それでさ蓮が来る時だけど……」


「私は家に帰ればいいんですよね?」


「……話が早くて助かるよ」


「その代わりになんですけど……ご褒美が欲しいです……」


「え……」


『ピーンポーン』


誰かが来た事をインターホンが鳴り知らせる。

モニターを覗くとなぜかあいつが映っていた。


「音絃ー開けてくれよー近くを通りかかったから来ちゃった!」


脳内思考完全停止 のちに再起動。


遥花は今、家に居るので脱出は不可能だ。

だとすれば門前もんぜん払いするしか……


「どなたかいらっしゃったんですか?」


「……蓮が来た。とりあえず追い返してくる」


「私が隠れていましょうか?」


「……いいのかほんとに?」


「今日は黒原くんと一緒にいる日だからいいんです」


「そ、そうか分かった。じゃあ寝室にいてくれ」


遥花には寝室に入ってもらい蓮を迎えに行こうとすると右腕のすそを掴まれる。

前にもこんな事があったなと思いながら振り返ると上目遣いで訴えかけてきていた。


「分かった……ご褒美は一回だけなんでも言う事聞いてやる」


「ほんとに……それでいいんですか?」


「いいから……その手、離してくれませんかね?」


「離したくない……ですけど、ご褒美もありますし我慢します!」


「おう、サンキューな」


寝室のドアを閉め、遥花の靴を棚に直してからドアを開ける。

開けた先には満面の笑みを浮かべた蓮が腕を組んで仁王におう立ちしていた。


「よう!我が友よ」


「なあ……蓮。言いたい事がたくさんあるんだが言ってもいいか……?」


「おう!言ってみなさい」


「インターホン鳴らしすぎ、急に来るな、お前の後ろに隠れている都魅と一緒に帰れ」


「バレちゃった……」


蓮の陰からちょこんと杏凪が顔を出す。

今日は髪を下ろして、眼鏡も外しているようだ。

学校でもその格好でいればいいのにと思った。


「まあ、悪かったよ……お願いだから家にあげてくれよ。喉がカラカラでさー」


「黒原くんお願い……」


「……お茶飲んだら帰れよ?」


「ありがとう我が友よ!」


「うっせ……とっとと早く帰って欲しいだけだよ」


「じゃあお邪魔しまーす」


二人は靴を脱いで早々と部屋へ入っていく。

早く入ってから出ていって貰う分にはいいので止めなかったが、すぐにれなければよかったと後悔した。


「音絃さん……?コップが二つ置いてあるのですが……片方はどう見ても女性物なんだけど、どういう事かな?」


「黒原くんもしかしてなの?!やっぱりもしかしてなの?!」


ああ……完全にやらかした、どう言い訳をしよう。

幸いな事にまだ遥花の存在には気付いていないのでどうにでもなる。


「落ち着け……違う、違うんだ……」


「何が違うんだ?」


「言いのがれは出来ませんよー!」


「リビングにいないって事は……」


「残っている部屋のここしかないよね?!」


蓮と杏凪は寝室のドアに手をかける。


「ちょっ……待て!開けるな……!」


だが時既ときすでに遅し。

必死の抵抗の声も届かず寝室のドアは開け放たれる。


今度こそ終わった。

どうやら完全に詰んでしまったらしい。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〜後書き〜


どうも〜廻夢です!


はい〜音絃君ゲームオーバーです(ง ˆ̑ ‵̮ˆ̑)ว゛


こっからは雑談ですがお腹いっぱいって幸せですね

杏凪さんのご飯をいっぱい食べる事出来る蓮くんは幸せですね……


最近プロセカばっかりしています(*^^*)

レベル31から上がクリア出来ない😭

フレンドなる人いないかな……

また次話……で会えるといいですね……

(*´︶`*)ノ(*´︶`*)ノマタネ*˙︶˙*)ノ"

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