恒星の七星《プレアデス》

@Colnet

プロローグ 少年のいつもの瞬間

 ここは地球があることがきっかけでなくなってから数年後のある星の物語である。

 ある少女は、誰かに電話をかけている。しかし、応答することはなかった。ある星で、全力で電車に乗るためにダッシュをしていた男子高校生がいた。彼は、俗に言う巻き込まれるタイプの不幸なのだが、今日は少し違っていた。いつもならしないはずの寝坊をして起きた時には、いつも乗るはずの電車まであと5分も無い状況だった。幸いこの少年の根の部分は、「不幸」という二文字ではなく「普通」の二文字が確かに存在していたために乗り遅れるということは無かった。

 「なんか今日は、いつもの楠木さんではないのですが?」と、この少年否、楠木流星くすのきりゅうせいは考えている。楠木流星の巻き込まれるタイプの不幸は、性格が主な原因である。極度の世話焼きでさらに正義感が異常に強いというとんでもないダメスペックの持ち主である。そんなことを考えながら今、自分が勉強している異術高校に着いた。この星は、地球では無い。地球から約1万光年離れた三日月形の惑星それが楠木たちが住むイグニスターである。このイグニスターの特徴は、カペラという国が惑星全体を統治している所にある。しばらくすると、友達で獣人である狼牙が来た。狼牙は、会うなり馬鹿以上の力で背中を叩いてきた。狼牙も楠木も異能力を持っている。狼牙や楠木だけでなくこの社会全体の人々が何かしらの異能力を持っている。くだらない話を狼牙と話していると、隣の席の珠里が来た。珠里は、鬼なのだが角が1つしかない対無鬼つなきである。この種族の鬼は、暴力的か温厚すぎるかのどちらかだ。完全に珠里は、後者の方だ。鬼族なのであまり女の子に見えないのが最近の珠里の悩みらしい。だいたい、いつも楠木と狼牙といつも一緒にいることが原因だと楠木は思ってる。この日は、集まる予定もなかったので、家に帰ることにした。しかし、巻き込まれるタイプの不幸は、この日はまだ許していなかった。近所の進学校に通う高校生である、電糸紗羅と会ってしまった。紗羅とではなく、不幸とだ。紗羅と楠木は、いままでも、何度も勝負をしているが、被害を被るのはいつも楠木の方なのだ。だから、楠木は、紗羅=不幸ということにしているらしい。その電糸紗羅不幸と会ってしまった。会いたくない奴に丁度会ってしまって、次に相手から「勝負!」なんて言われたら逃げようとするだろう。実際、逃げた。その後、電糸紗羅の異能力によって変電所がおかしくなったらしいので紗羅と一緒に謝りに行くも、怒られるのは何故か楠木だった。何回目のデジャブかもうわからない状態だ。「···私、帰るねー♪」とまるで人の不幸は、なんとやらという感じで彼女は、ルンルンで帰っていった。ちなみに楠木は、訳あって一人暮らしをしている。疲弊していた楠木は、さすがに料理を作る気力もなくコンビニで弁当を買って帰ってきたその時、おかしいどう見ても自分の家の前に1人の少女がぐったりしている。今回もダメスペックが発揮しまったらしいと自分のクソみたいな性格をお悔やみ申し上げて、少女を家まで運んだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る