第20話 ロリ先生と部屋づくり
家に着くと、今日の授業は終了したのだが、夕食作りまではまだまだ時間があったので、彼女が筋トレのメニューを教えてくれた。
腹筋、背筋、腕立て伏せ、スクワットと基本的な4種類なのだが、その回数は、最初からいきなり多いと身体を痛めてしまうということで、最初は1日5回を3セットずつにし、最終的には1日30回を3セットずつにまで増やす予定だそうだ。
ちなみに今日は、ジョギングで疲れてしまったということと、この後の作業のためというのを理由に、筋トレはやらなくて良いことになった。
そして、その作業というのが、子ども部屋づくりである。折角おもちゃを買っても、それで遊ぶ部屋がなければ意味がない。
「どこか使えそうな部屋はないかしらね」
と、彼女が家の中を散策し始めたので、俺が考えていた部屋を紹介することにする。
「実は、ちょうど良さそうな部屋があるんだ」
「あら、そうなの? どこ?」
「2階にあるんだ。ついてきて」
俺はそう言って階段を上がり、目的の部屋のドアを開ける。
「ここ。一応物置部屋なんだけど、そんなに物が多い訳じゃないから、片付けも楽だし、何より普段使わないから。埃まみれだけど」
と俺が言うと、彼女は、
「あら、良い部屋があるじゃない。良かったわ。埃なんてすぐ取れるから、気にしなくていいわよ。じゃあ、ここにしましょう」
と笑顔で言って、早速中に置いてある家具等の片付けを始めた。俺は、彼女が廊下に出したその物達を各部屋に運ぶよう指示されたので、スペースに余裕のありそうな部屋に移動させ、ついでに買ってきた大量のおもちゃを2階に全て運ばせる。
「終わったよ~」
と声をかけながら、彼女が掃除していた元物置部屋を見てみると、10年以上放置され、埃を被っていた部屋が、30分程しか経っていないのに、嘘みたいにピカピカになっていた。唯一子ども部屋の家具として採用された古い収納棚も、きれいに拭かれている。自分の目を疑った。
そう、彼女はこの30分間で、物の運び出し、部屋の掃除機掛け、雑巾拭きを一人で終わらせたのだ。思わず、
「はやっ」
と言うと、
「私、部屋が汚れていれば汚れているほど、掃除のスイッチが入る人なのよ」
と彼女は言った。そんな彼女を、俺はやっぱりすごいと思う。
その後、彼女がいつの間にか持ってきていた淡いピンクの可愛らしい壁紙を二人で貼り、いつの間にか持ってきていたブラウン色の丸いラグを部屋の中央に二人で敷き、買ってきたおもちゃをパッケージから出して収納棚やその周辺に良い感じに配置すると、あっという間に女の子の憧れが詰まった部屋(多分)が完成した。
それを見た彼女は、
「あとは、テーブルね」
と言った。あ、まだ完成してなかったようだ。
彼女は、元々この部屋に置かれ、彼女が保留にしていた、薄いベージュ色をしたテーブルをラグの上に配置した。こうして、今度は本当に子ども部屋が完成した。最後に置いたテーブルが、結構部屋の雰囲気に馴染んでいたので、ちょうど良いのがあって良かったなぁと思った。
その後も、平凡で異常な日々が続いていった。なんて書くと、お話がここで終わりみたいになるかもしれないが、ただ単に数週間の時間が過ぎたというだけである。
その間もちろん授業は毎日続き、俺の体力はどんどん向上し、あの子との仲もどんどん深まった。
実は数日前、俺はあの子に公園で会う際に、お菓子をあげたら寄ってきてくれやすくなるんじゃないかと彼女に提案したのだが、彼女に、
「あ~、男の人ってそうやってすぐ子どもに何かをあげて懐いてもらおうとするわよね。でもそれ、逆効果だから。
確かにあげればあげるほど、近寄ってくるようにはなるけれど、それはお菓子目当て。つまり、お菓子をあげればあげるほど、子どもはお菓子に興味をもち、お菓子をくれるその人への興味をなくすのよ。
今回興味をもってもらいたいのはお菓子なんかじゃなくて、あくまであなたなんだから、何かで釣ろうなんて考えちゃダメよ」
と言われ、そんなことを考えたことがなかった俺は、かなり驚いた。
授業というだけあって、学ぶことは多く、この他にも沢山のことを学んだ。
このまま良い方向に向かうと思われた彼女と俺の同居生活だったが、実は進んでいたあの子との性的行為作戦の決行予定日まであと3日という日、ある事件が起こった。
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