ロリ先生のロリコン教育
A
第1話 俺だってなろうと思ってなった訳じゃない
俺は田中隆。32歳の男。今お読みの9割の方がお察しの通り、無職独身だ。結婚はしないのかって?そりゃあしたいけど、残念ながら大人の女にゃ興味はない。幼女だ、幼女。俺だって、なりたくてこうなってしまった訳じゃない。
普通の家庭に生まれ、普通の小学校に行って、普通の中学校に行って、普通に友達もいたし、普通の高校にも進学したし。そんな俺の人生を狂わせたのは、母親の死だった。ある日の夕方、母親が突然交通事故で亡くなった。学校から帰ってきた俺は、その事実を聞き、言葉が出なかった。父親は、恥などはもう関係なく、息子である俺の目の前で泣き続けた。その後は、スーパーの惣菜生活が始まった。父親は部屋から一切出てこない。地獄のような日々だった。
父親がうつのような状態になってから1か月後、父親は「妻に会いに行く。」という手紙を残し、この世を去った。首を吊って死んでいる父親の姿も見た。俺はその瞬間、生きていく意味を失った気がした。祖父も祖母もすでに他界しており、身寄りの無かった俺は、何も考えず、否、考えられず、ただ自室に閉じ籠っていた。それから数日、家のチャイムが何度も鳴らされたが、全部無視した。
更に何日か経った後、家中に大きな音が鳴り響いた。何かを破壊するような、大きな音。だが、特に気にすることもなく、ボーッとしていると、 「死体がありました!!」
という男性の声と、
「警察です!誰か居ますか!」
という別の男性の声が聞こえてきた。無視を続けていると、階段を上る音が聞こえてきた。俺の部屋は2階にある。順々に部屋が確認されていき、俺の部屋を開けると、
「居たぞ!!」
という声を出した。
その後、よくわからないまま首を縦に振り続けていたら、どこかへ連れて行かれた。そこは、児童養護施設だった。それを知った俺は、トイレに行くと嘘をつき、施設から飛び出して、ここまで歩いてきた道を全速力で走って逃げ、自分の家の近くに隠れた。家には規制線が張られ、関係者が次々と出入りしている。
夜になり、警察が捜査を終えて帰るのを確認すると、俺は規制線をかいくぐって家に入り、両親の通帳を持って家を出ると、そのまま走った。ひたすら走った。無我夢中に走った。養護施設なんて。狭い場所で行動を制限されて暮らすのは嫌だった。
警察に見つからないように。隠れられるように。遠くへ、ひたすら遠くへ。途中で見つけた自転車を奪って、更に遠くへ。どの方角にどのくらい進んだのかさえ全く分からないまま、3回の朝を迎えた。肉体はとうに限界を超えていた。気持ちだけで漕いでいた。そして4回目の朝、俺はとうとう力尽き、自転車ごとその場に倒れた───
気が付くと、ベッドの上にいた。…ベッド?なんでこんなところに?たしか、道路に倒れたはずじゃ…そう思っていると、
「あら、目が覚めたのね。良かったわ」
と、ドアを開け、部屋の中に入って来た女性に言われた。そこは病院…ではなく、その女性の自宅だった。
「どこの子か分からないけど、元気になるまで休んでいくといいわ。話したくなかったらいいけど、何があったか教えてくれる?」
その後、俺が事情を話すと、その家で匿ってもらえることになった。ついつい熱がこもってしまった俺の話を、涙を浮かべながら聞いてくれた。それからは、その心優しい女性に世話をしてもらった。基本的な家事は、ほぼ全てしてくれた。ご飯も毎日3食、バランスよく作ってくれた。風呂洗いやベッドメイクは、教わって自分でやっていた。迷惑になっていませんか、と聞いたときには、独り身だったから、逆にあなたがいてくれて楽しい、と笑って言ってくれた。そんな日々が何年も続いた。本当に、感謝しかなかった。
しかし、何年か前、女性は亡くなった。突発性の病気だった。廊下で倒れるその人に、俺は何もしてあげられず、救急車を呼ぶことだけで精一杯だった。
病院で死亡が確認された後、自分しかいない家に帰ると、いつか感じたあの感覚に苛まれた。そこには空虚が存在するだけで、暗く、冷たい。自分が存在しているのかさえ、分からなくなる。
しかし、いつまでもくよくよしてられないと、俺はまず冷静に、女性からの生前の助言通り、生活保護の申請をすることにした。それに伴い、スマホというやつと、印鑑を買った。数日後、家を訪れた保険会社から、女性の死亡保険の金をもらった。もしかしたらまだ俺を警察が捜索していて、それが広まっているかもしれないと思い、俺の名前を書くときはとても怖かったが、幸い、俺の名前を出しても、どうこうなることは無かった。
両親の通帳も、もらった保険金もあるし、女性の貯金もあるしで十分な金が揃った俺は、気分転換にと、家の外に出て、近所を歩いてみた。途中には公園があり、小さい女の子たちが元気よく走り回っていた。近くにあったコンビニでおにぎりを買った俺は、その公園に戻り、ベンチに座って遊んでいる子供たちを眺めていた。
すると、人生で初めてこんなに癒しを感じた。多分、周りの人達が次々に死んでいったから余計に、傷が癒える気がしたのだろう。5才ぐらいの女の子たちが、とてつもなく可愛く感じたのだ。
それからは、毎日3食公園のベンチでコンビニのおにぎりを食べ、夜以外はずっとその公園のベンチにいた。毎日毎日、本当に癒されていた。
やがて、癒しは性欲に変わっていった。
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