第131話
「確かにそれなら...いいえ、ダメよ! それって私の代わりにエリザベートが危険な目に遭うってことじゃないの! そんなの絶対に許可できないわ!」
一瞬グラ付き掛けた私だったが、なんとかギリギリで持ち直した。
「え~ 良い作戦だと思ったんだけどなぁ~」
「ダメったらダメよ! 良い事? 今の作戦はエリザベートの耳に絶対入れちゃダメよ? 分かったわね?」
エリザベートのあの性格だと、危険なことにも平気で首を突っ込み兼ねないからな。注意しないと。
そう思っていたのだが...
「話は聞いたわ。あんた、アランって言ったっけ? 中々良い作戦じゃないの?」
「これはこれは、お誉めに預かりどーもです」
「エリザベート!? あんた一体どこから湧いて出たのよ!?」
いきなり現れたエリザベートにビックリした私は、思わずそんな突っ込みを入れていた。一体いつから居て、どこから話を聞いてたんだ!?
「人をゴキちゃんみたいに言わないでくれる? なんの情報も掴めなかったから諦めて帰って来たのよ。そしたらあんた達がなにやら話し込んでいたから、コッソリと聞き耳を立ててたっていう訳」
「あぁ、そういうこと...なら話は早いわね。さっきも言ったけどエリザベート、こんな危険な作戦はダメよ? 私は絶対に許可しないからね? 諦めてなにか他の作戦を考えましょう?」
「あぁ、別にいいわよ。アンリエットが許可しなくても私が勝手にやるんだから。アラン、もう少し詳しく話を聞かせくれる?」
「へい、喜んで!」
「ちょ、ちょっと待てお前ら! 私の領地で勝手なことしようとすんなや! それとアラン! 悪乗りすんじゃねぇ! お前はどっかの居酒屋かなんかか!?」
私は慌てて止めた。
「まぁまぁ、お嬢。ちょっと落ち着いてよ~ 大丈夫大丈夫、ちゃんとエリザベート嬢に危害が及ばないよう配慮するからさ~」
「そういう問題じゃない!」
「まぁまぁ、アンリエット。ちょっと落ち着きなさいよ。大丈夫大丈夫、こう見えても私、結構鍛えてるんだから。武闘派令嬢の名は伊達じゃないのよ?」
「だからそういう問題じゃないっての!」
「じゃあエリザベート嬢、ここだとお嬢が五月蝿いんで別室で話を詰めましょうか」
「いいわね、そうしましょう」
「だから待てやゴラァ!」
ダメだこいつら...似た者同士っていうか波長が合うっていうか...私ではとてもじゃないが付いて行けない...
結局私の抗議も空しく、二人はどんどん話を進めて行った。私はその横でギャアギャアと騒いでいるだけだった...
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