猫様のごきげん

バブみ道日丿宮組

お題:疲れたぷにぷに 制限時間:15分

猫様のごきげん

「まだ眠いから……勘弁してくれよ」

 俺の願いとは裏腹に、我が家のペットである猫様はぺたぺたとほっぺたに足を押し付けてくる。ぷにぷにとした肉球はたまらんものではあるが、眠気が残る朝となれば苦痛に思う。

「……餌か、餌なのか」

 にゃーと鳴き声。

「……まったく困ったものだ」

 身体を起こし、猫様を持ち上げ、床に下ろそうとするが、撫でてほしいのか離れない。仕方なく喜びそうな部分を重点的に撫で回す。

 満足そうな顔をすると、もう一度鳴いた。

 わかってる。餌だろ、餌。

「着替えは……まぁいいか」

 猫様は両親を起こして餌を強請ればいいものの、どうしてだか俺のところにいつもくる。確かに拾ってやったのは俺だが、普段大学に行って構ってやってないのに、なぜだか好感度が高い。

 もっと両親が構ってやればいいのだが、なんか間に入るのも変だからと遠慮されてる。

 恋人かなにかか? 猫様だぞ?

 平日の昼と夜は両親のどちらかが餌をあげてるが、休日は、朝、昼、夜と必ず、お腹が空くとやってくる。

 その行動自体はかなりほんわかするものだが、朝はほんと早朝に近く、休日を寝て過ごしたい俺としてはかなり迷惑な行為に近い。

「……仕方ないか」

 部屋を出て台所に向かうと、後ろから猫様は追走する。

 餌箱にキャットフードを入れ、水入れに水を入れる。

 そうしたら、後は猫様の前に置くだけだ。

「……」

 利口なのかなんなのか、猫様は餌を目の前にしても俺を見つめるばかりで動こうとしない。

「食べていいぞ」

 いわゆる『ヨシッ!』を猫様は会得してるのだ。

 なぜか待てと言ってないのに待つのはよくわからないが、まぁいいだろう。

 許可が降りたことで、猫様は問答無用に餌を食してく。

 その姿はライオンにも負けないほどの迫力がある。

「……二度寝するかなぁ」

 食べ終えるのを眺めてるのも悪くない選択だが、睡魔には抗えない。

「はぁ……」

 起きたら課題やらなきゃなぁと考えながら部屋に戻ってしばらくすると、猫様が戻ってきた。

 そして、枕元で丸くなる。

「……付き合わなくてもいいのにな」

 というよりか、眠るんだったら、二度寝して起きたときに餌を催促してほしいものだ。

 そんなことを考えてると、だんだんと睡魔が襲ってきて、やがて眠りについた。

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猫様のごきげん バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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