真夏の夜の百夢

〜2巡目〜 風鈴火山

皆さんはフリマアプリを使ってますか？

僕は気になったゲームとか雑貨を買うのに使ってます。物によればかなり安く手に入るのがメリットですよね。ですが、たまーに曰く付きの品物がある事もしばしばあります。

今回はフリマアプリで僕が購入したある商品についての話です。

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その日僕は悩んでいました。今日は月末で、何か買わなければフリマアプリ内のポイントが無くなってしまうからです。その数500ポイント。使わなければ500円分損することになってしまいます。

ポイントが勿体ないと500円以下の品物で何か良いものが無いかと探していた所、一つの風鈴が目に入りました。『風鈴火山』というタイトルで、名前の通り、薄い黄色のボディに赤いガラスが炎のように入っているきれいなものでした。これは良いと思い、ポイントでその品物を購入しました。

数日後、その風鈴が届きました。

梱包材に埋もれていたそれはスマホの画面で見るよりも、めらめらと赤く色づいていました。

早速、駐車場に面したベランダに風鈴を取り付けました。

チリーン…

風に吹かれて風鈴は暑苦しい見た目とは真逆の涼しい音を響かせました。

チリーン…

なんだかとてもリラックスできる音だったので僕はそのまま昼寝をしてしまいました。

パーン！

僕は何かが破裂する音で目を覚ましました。

窓の外を見ると、前輪のタイヤが破裂して動けなくなった車がいました。しかも左右両方とも、しかも、ゴムが溶けたような匂いが外に広がってました。

僕は急いでアパートの駐車場に行くと、近隣の住民も駆けつけていました。車の後ろにロープをくくりつけ、牽引しようとしているようです。

「どうしたんですか？」

「大変だ。地面から溶岩が流れ出てきたんだってよ。」

よく見るとアスファルトの一部がこんもり盛り上がっているのが分かる。

「その熱で車がパンクしたらしい。このままでは危険だ。君も車を引っ張ってくれないか？」

「はい！手伝います！」

こうして、僕は車の牽引を手伝いました。

ゴロゴロ…

「やったぞ！」

多くの人の協力もあって、車は安全な所に移動できました。人々が手を取り合ったその時、そよ風がふきました。

チリーン…

ポコッ！

すると、風鈴が飾ってあった真下の地面から溶岩が流れ出てきたのです。

僕は慌てて風鈴をしまいに行き、事なき事を得ました。その後、車の修理費と駐車場の整備費を請求されたのち、アパートから追い出されてしまう事になりましたが…

ちなみに風鈴は、またフリマアプリに出品しました。

だって、勿体ないじゃないですか。

ポッ…