〜2巡目〜 缶主
都内に住んでいる方なら見かけた事があると思うんですけど、大量の缶を自転車に乗せたおじいさんを見かけた事がありますよね。
あれって、金属会社に売って金にしているらしいですけど、こんな噂もありまして…
〜〜〜〜
男は自転車に大量の缶を乗せ、閑静な住宅街を走っていた。
「今月の例大祭には間に合いそうだ。後は、粗大ゴミの証明書をもらえば…」.
独り言を漏らしつつ、証明書をもらった後、男は公園に入っていった。時刻は午前1時。人気はなく、静まりかえっていた。
「よし、誰もいないな。」
男は周りに誰もいない事を確認すると、自分の周囲に缶を置き始めた。
「これでよし」
こんもりと盛られた缶の上に男は飛び乗り、祝詞を唱え始めた。まるで神社の神主のように…
男の祝詞は明け方まで続いた。
「缶よ!缶よ!私を救い給え!」
そしてその日の朝、ニュースで奇妙な遺体が見つかった事が報じられた。
その遺体は公園にこんもりと盛られた缶の上で座ったまま見つかった。
その顔は、とても幸福そうだった…と。
きっと信仰が叶って報われたんでしょうね。
まあ何も良くならずに一生を終えた訳ですが…
ポッ…
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