被験体とみるもの

バブみ道日丿宮組

お題:やわらかい光景 制限時間:15分

被験体とみるもの

 被験体01号

 喋ることはできるが、動くことはできない。

 介護の必要はなく、ただ喋るだけなので隔離する必要なし。


 被験体02号

 その場を走る。文字通りその場を走り続けスタミナが続く限り行動を続ける。

 適度な栄養補助が必要であり、監視カメラで別途監視する必要あり。


 被験体03号

 夢見。目があうと夢の中で会う。

 そこで意気投合すると夢から覚めなくなる。そのため目隠し対応の必要あり。

 隔離する必要は今のところ計画になし。


 被験体04号

 融合体。半分が人間、半分が外宇宙の肉体。

 人間の身体は貧弱ではあるが、残りは強固であり強靭である。

 常に麻酔を投与し続け、目覚めを妨げる必要あり。


 被験体05号

 フェイク。人間の格好をしてるが人間ではない。

 一度人間と判断したものは被験体05の手下となる。そのため隔離する必要あり。

 現在白い箱に封じ込め、自分自身を見つめさせ手下化が発動するかを実験中。

 ※なお白い箱に封じ込める際、2名の手下が生まれたためデリートした。


 被験体06号

 へんげ。人間以外の動物に変化する。

 人間の言葉を理解できる動物といったほうがいい。知性はほとんどない。

 見たものに変わるという特質。

 ※図鑑で見せたものと同じ大きさにへんげしたことにより、発覚。


 被験体07号

 願い。欲望を好きなだけ叶える。

 心には悪も善もなく、何かを勝手に行う。

 現在四肢切断、頭だけの状態で保存されてる。

 ※なおこの状態でも回復の兆しがあるため、より一層の解体が求められる。


 被験体08号

 人間。外宇宙から降り注いだα線を浴びたものたち。

 外見は都市伝説でいうドラキュラ。

 食事は主に血を吸う。

 そのため、1人1人隔離しなければ共食いが発生する。


 上記が、今のところ判明した地球での実験データである。

 母星に持ち帰り対策をねったあと、さらなる実験を加える。

 より一層母星が輝かしいものとなるために、彼らには残酷だが生きる被験体として生きてもらう。

 それが過去に地球を追い出された我らへの懺悔。


 しいて良いところと思ったのは、地球の変わらぬ絶景。

 これだけは母星にないやわらかい光景だ。

 発展に発展し、滅びることがなくなった我らにはこの大地は再現できない。

 いや、それができる被験体を開発する必要を考えてもいいかもしれない。


 以上、本日の報告を終了する。

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被験体とみるもの バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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