使命
バブみ道日丿宮組
お題:弱い使命 制限時間:15分
使命
速く産まれたからか、双子の妹の世話をするのを運命づけられてしまった。
なんでも我が一族は女系が全てであり、さらに双子ともなると血の濃さは歴代の術者に遅れをとらないとかなんとか。
うん、我が一族ってのは陰陽師の家系がうち。
だから、世話をするというか式神という役割になったんだ。
「もう少し霊力込められないの?」
「できたらやってるって」
我が妹は兄が不甲斐ないからか、毎日のように特訓をせがむ。
確かに女系が全てというのは本当と妹との術くらべでよくわかってる。
兄ができないことが妹ができる。
双子というエネルギーは完全に妹へと流れたんだろう。
「やっぱりあたしの力をすこし入れて変革させた方がいいのかしら」
「兄を人外にしないでくれよ?」
「まぁあたくしのお兄様がだらしなーくみっともなーい戦闘を見せないならいいわよ」
それをいわれると辛い。
前回の戦闘で妹の補助をするどころか、助けを求めるレベルに足を引っ張ってしまった。妹様は式紙で自分の分身を作り、俺を助けた。
半分以下の性能しかない分身なのに、それにも劣る自分……残念に思うね! 本当に兄妹か、双子か! と呪いたくなったよ。
「あたしのお兄ちゃんが式神じゃなきゃダメなんだからね」
「他にもいるだろう親戚の姉さんとか、おじさんとか」
はぁわかってないわねという感じに酷いため息。
「あたしはお兄ちゃんがいいの。あとはいらない」
「どうしてだよ」
「いいじゃない。双子なのよ」
その理屈はよくわからない。
その後も妹による兄がいい講座をひたすら聞かされた。
そして特訓もより難しいものになってくにつれて、だんだんと慣れてく自分もあった。
「ほら、やればできるじゃない」
「確かに……前よりは」
「女系が全てなんての迷信よ。あたしのお兄ちゃんを当主にすべきなの」
なるほど、そういう意図があって俺を教育してたのか。
「だが、おばさんやお母さんたちは認めないと思うぞ」
「弱い使命感なんて持たないで! もっと強く願うの」
妹の優しい手が俺の作る式紙を彩る。
「双子ならではの力よ」
どんな作用があるのだろうか。
動かしてみると、火をだしたり、水を出したり、陰陽道の術がこんな小さな式紙の中につまってるようだ。
「これからもあたしの式神でいてよね?」
「あぁ……当主になれるかはわからないが、俺はお前についてくよ」
親に守れとも言われてるしな。
使命 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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