サラリーマンからのへんげ

バブみ道日丿宮組

お題:ぐちゃぐちゃのサラリーマン 制限時間:15分

サラリーマンからのへんげ

 脳を砕かれて、左目の視力を失い、右目の色情報を失った俺は仕事をやめて違うビジネスを開始した。

 とはいうものの倒れてから2年間の空白があり、視力の問題よりも筋肉の衰えの方がすごかった。少しずつ歩けるようになったものの松葉杖なしの生活は送れないと自覚して、施設からでた。

「楽しい?」

「すっごく楽しい」

 新しく始めたビジネスは、相手の価値定め、占いのようなものだ。

「ふーん、あたしにはよくわからないけど、お兄ちゃんが楽しそうならいいや」

 同居人はそういってピコピコと携帯電話をいじり始めた。俺の売上の3割ぐらいはソシャゲに使われてる。それでも欲しいものがでなかったり、勝てなかったりするから、俺にたまにお願いをしてくる。

 そう脳が砕かれて、右目だけになった俺は、数値してモノゴトを視ることができるようになった。つまりはソシャゲでいえば、必ず当たる時にガチャを引けるというものだ。

 だからこそ、同居人は俺を頼りにする。

 それは俺も同じであった。

 この身体の調整には同居人の彼女の介護が必要である。

 win-winの関係といえるだろう。

 あぁ……ちなみに彼女との出会いは、まだ脳が完全に動いてない時……夢の世界のような場所で出会った。

 真っ白な世界で『やっと会えたね、お兄ちゃん』と笑って俺の手を掴んだ。

 そのショックで俺は起き上がり、彼女がベッドの隣に立ってたというわけだ。

 個人的には彼女が何なのかはわからない。

 数値化しても無限のマークがでたり、θがでたりと読み取ることができない。唯一わかるのはスリーサイズぐらいだろうか。これは肉体関係を持ってることもあって間違いはない。

 ちなみに彼女は白い髪、赤目で吸血鬼の末裔と親が気味が悪がってたが、介護に対する情熱や尽くし続ける姿を見て認めてくれた。

 今じゃ妻という相棒だ。

 とはいっても、基本的に家事は適当で自動掃除ロボが働いてるから、不思議な関係といえばそうなるかもしれない。

 が幸せだから俺は構わない。

「次の株の暴落は面白いな」

「のってみるの?」

「まだまだはやい。上がるやつでまずは資金を得る」

 いつの間にか世界に知れ渡る資産家になってたわけだが、ぐちゃぐちゃの人間に車が轢き殺しかけたのがよくもまぁ……良く変貌したものだ。

 ちなみにオフィス兼住宅は、親族一同住んでる。どのフロアもセキュリティを強固にしてある。最悪の事態は、自爆スイッチつきだ。

 死ぬほど痛いらしいが、ぐちゃぐちゃになったことがある俺にとってはなんでもない痛みだな。

「さぁて一仕事だ」

「こっちもレイドボスでてきて大変」

 お互い山場を迎え、そして朝日を見た。

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サラリーマンからのへんげ バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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