友から友へ、友から友の子へ

バブみ道日丿宮組

お題:絶望的な手 制限時間:15分

友から友へ、友から友の子へ

 自分の命を捧げれば、少女はおそらく助かるだろう。

 だが、その後はどうなる?

 1人残った少女が暮らすにはとてもじゃないが辛いだけの集落だ。

 異端として迫害を受けるに違いない。

「なら……」

 助けな……いという選択肢はできない。

「おじちゃん、た、たすけて」

 時間はもうない。

 集落が開けた闇の世界に少女は引きずり込まれつつある。

 今でさえ、手をつないだ状態で抑えられてるだけで根本的な解決にはなってない。

「なぁ俺がお前の中に入っても怒らないか?」

「な、なにいってるかわからないよ!?」

 少女は困惑の表情を見せる。

 そうだよな。わからないよな。

 この俺の力も元々はこの少女の両親からもらったものだ。

 ならば、返すのが通り。

 あの時と違って、恩を返せる時がきた。

 

 我が一生に悔いはない。


 恩師の娘を助けられるんだ。

「大丈夫、一人でも生きられる力をあげるだけだ。それで集落の奴らを見返してやれ」

 かつての親友がそうであったように。

「おじちゃん、腕から血がでてるよ?」

「あぁ時間がないってことだ」

 血印を少女の頭に刻む。

 あとは身体を入れ替えるだけだ。

 俺が闇の世界へ行く。

 力の殆どを少女に受け渡した後、闇の世界でさまようのは餌として徘徊するようなものだが現世でさんざん闇の世界からきたやつを倒したんだ。

 恨みを返されても文句はいえないな。

「お別れだ」

 掴んでた手に力をいれて、入れ替わるように闇の世界へ俺は落ち、閉じる闇の世界の入り口の先で少女が泣き叫んでるのが見えた。

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友から友へ、友から友の子へ バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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