第4話 超ハイスペックな先輩のお説教
さらに、いつの間にか台本の書き方や演出の方法まで身につけていたとなれば、去年、2年生になった時点で新入部員指導の最前線に立っていても不思議ではない。
部の誰もが「……何でこんな底辺校に?」と言っている。
そう、芝居の鬼……今日のかすみセンパイは、まさにそのオニの顔をしている。
「……ほら!」
「……痛っテえ!」
椅子に投げ落とされた僕が何を言おうと構わず、上から目線でこう命ずる。
……座って話を聞け。アタシの話は終わってない。
思えば、1年前の僕が甘かったのだ。
キャストもスタッフも関係ない、厳しい基礎練習。
夏場は汗で水溜りができ、冬場は全身から湯気が立つほどの筋トレ。
早朝と放課後遅くまでの稽古。
分刻み、時間厳守のスケジュール。
遅刻には正座の罰則。
僕には全く関係ないが、「部内恋愛禁止」という冗談のようなルール。
入部して1年経って、僕は猛烈に後悔しているのだった。
……こんなはずじゃなかった、と。
そして2年に上がった4月末の今日。
僕は放課後の選択授業教室に呼び出され、ショートカットの似合う、可憐な安藤かすみセンパイの説教をくらっている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます