第28話 みかんを食べる少女

一はその少女を見て驚きました。


「私の名前は有田蜜柑です!」


そういった少女の顔に見覚えがあるからです。

でも人違いでした。

顔は似ている。でも別人。

そんな出来事は沢山ある。


そう思っていました。


でもきっとそう。

でもたぶんそう。


「あのどこかであいましたよね?」


一は勇気を出して言いました。


「はい。貴方はバイバイの人ですよね」


「うん……」


「え?知り合い?」


二人の会話に葉月は驚きます。


「私、この人にバイバイされたんですよ。

 ね?斎藤一さん」


「僕のこと知ってるの?」


「はい、私もジンクス持ちなんです」


「え?」


「『みかんを食べれば食べるほど好きな人がしあわせになる』

 これが私のジンクスです」


蜜柑はそういってピースサインを作りました。



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