第851話
一応試してみるか‥?
アシュラくんに鉄盾を装備させて、擬似鉄塊にしたらミミウの攻撃を一回くらいは防げるんじゃないだろうか‥
いや、カエルのように潰されるのがオチだろう。
全部を鉄盾で囲んで、中に衝撃が通らないようにクッション的なものを使えば‥
いやいや、一回防いだところで反撃する事ができない。
お互いの健闘を讃えてという形であれば、攻撃は必須だろう‥
最初に攻撃をして、その後殻に籠るか‥?
‥‥‥‥‥いやダメだって。
何故王様を戦わせる前提で考えてるんだよ。
王様死んじゃうよ!
せっかく王座を取り戻したのに、カエルみたいに潰れちゃうよ!
いかんいかん。
色々あって疲れてるのかもしれないな‥
「妙案だが、とりあえず却下だ。その親子の力に差があり過ぎる。親が簡単にぶっ飛ばされたら立つ瀬がないだろう。」
「なるほど!それなら、その親を鍛えると言う訳ですな!」
えーい、そこから離れないか、この脳筋め。
「ほんにんしだい‥」
「ん?あ、ああ‥本人たち次第って事か。まあそりゃそうだよな。他人が心配しててもどうしようもないもんな。」
「ミミウ‥おうじょでもかわらない‥」
俺はリルの顔を片手で掴み上げてその場を離れる。
「ちょ、お前なんで知ってるんだよ!っていててて‥」
「フシャーッ!」
リルのトラウマを呼び覚ましたらしいが、今はそれどころじゃない。
手を引っ掻かれたので思わずリルを離してしまう。
猫科のような動きで物陰に隠れて、こちらを威嚇するリル。
「すまんすまん。いや、それよりも何で知ってるんだ?」
「フシャーッ!」
いかん、少し慣れる前の野良猫に戻ってしまったか?
「リル、お前につくった刀とお揃いの脇差をつくっろうと思ってるんだ。やっぱり侍といったら刀を2本持ってないとな。」
「フーッ、フーッ‥くれる‥?」
「ああ。出来たらあげるよ。それよりも何でミミウの事わかったんだ?」
「おうさま‥ひめさまのなまえよんだ‥ミミウひろわれた‥マルコイがきいてきた‥わかった‥」
こいつ猫科するたびに言語能力低下していってないか‥?
「まさかリルが気づくとはな。」
「まかせろ‥」
リルがドヤ顔をしている‥
‥‥なんかムカつく‥
アレカンドロと同じ脳筋とばかり思っていたが‥
まさかこんなところに名探偵がいるとは思わなかったぜ。
「とりあえずまだ内緒にしといてくれよ。じゃないと脇差は見送るからな。」
「しんぱいない‥もうあたまからきえた‥」
君の頭の作りの方が心配だよ‥
「でも確かに本人次第だよな。」
本人がどうしたいってとこだろうし、出来れば育ての親であるイルムさんにも話を聞いてみたいよな。
とりあえずミミウにもし生みの親がいたら会いたいか聞いてみるか。
「ありがとう2人とも。それじゃあ模擬戦もほどほどにしとけよ。」
「アレカンドロしだい‥」
まあそうだよね。
「承知いたしました!ところでその親御さんの特訓はいつから始めたらいいですか!」
「なんでだよ!」
とりあえずアレカンドロさんは、落とした頭のネジを探すのが先だと思います‥
さて当の本人であるミミウさんはどこにいるかな‥?
宿の食堂を見て回るが、ミミウもいないし空になった大量の皿もないようだ。
ここでご飯を食べてないって事は、外で食べてるかご飯で釣られて誘拐されたかだな‥
まあ誘拐したら、アジトごと崩壊するんだけどね。
建物が壊れる音がしないから、街で大人しく食べてるんだろうけど‥
でもほとんどの建物が建設中や修繕中だったりするから、食べる所もあまりないと思うんだが‥
ぶらぶらと商店街らしいところを歩く。
やはりほとんどの店が休業中のようだ。
「さすがですね、ミミウさん‥もうはピクリとも動けません‥回復魔法を使っても動かなくなる程のダメージを受けるとは思いませんでした‥」
おや?
「もっとお願いするですぅ!」
なんだなんだ?
ミミウと‥‥もしかして恵か?
この2人が一緒にいるのも珍しいが、まさかこっちも模擬戦でもやってるのか?
こんな街中で暴れたら、せっかく復興中の街がまた崩壊するぞ!
建物が壊れる音がしなかったので油断していた。
俺は慌てて声がした方に向かって走る。
頼むから暴れてないでくれよ。
「もうダメですか?」
やめろ、ミミウ。
もうこれ以上暴れるんじゃない‥
どうやら声が聞こえたのは、辛うじて崩壊を免れていた建物の中のようだ。
俺は急いで建物の中に入る。
その中には‥‥‥
大の字で寝転がっている恵と‥
空の皿に囲まれて涙目になっているミミウがいた‥
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