第823話
ギルドに戻ってくるとイェルンさんと王様が話をしていた。
「イェルンさん。中立派との話は上手くいったのか?」
「マルコイさん!ええ、アキーエさんのおかげでスムーズに話ができましたよ。」
アキーエのおかげか‥
爆発で脅したかな‥?
「ところでアキーエたちは?」
「ミミウさんと一緒にすぐ出掛けられましたよ。なんでもお腹が何とかとか‥」
うっ。
腹ペコ大魔王の事をすっかり忘れていた‥
「それはちょっと困ったな‥まあいいや、ところで王様とイェルンさんちょっといいですか?」
俺はイェルンさんと王様に声をかけて、応接室に来てもらう。
「すみません、少し聞きたい事があって。」
「いや、別に構わない。私はする事がなくてウロウロしてるだけだからな。これでも昔は冒険者ランクAまでいったのだが、マルコイ達の前ではゴブリンと変わらないからな。」
笑い声を上げる王様。
そんな威厳のあるゴブリンはいませんよ。
「ところでマルコイさん、聞きたい事って何でしょうか?私はどちらかと言うと、タルタルソースの秘密を聞きたいと思ってるのですが‥」
ええいうるさい奴め。
そんなものフーラさんを見つけて聞いてこい。
多分何時間も話してくれるぞ。
「いえ、聞きたいのはヨエクの事です。単刀直入に聞きますが、ヨエクは魔族との繋がり、もしくはそれに近いものはありませんでしたか?」
「なっ?」
王様もイェルンさんも絶句する。
そりゃそうだ。
自分たちの国の元将軍だ。
そんな繋がりがあればもちろん解雇だろうし、将軍を続けていたという事は2人にはバレなかったという事だろう。
しかし何かしら知っているかもしれないと思い、確認だけする事にしたのだ。
「すみませんマルコイさん。私は知りませんし、もし知っていたら命を賭してでも辞めさせていたと思います。」
そりゃそうだよな‥
しかしスプーンでタルタルソースを掬いながらそんな事言われても説得力がないぞ。
てかどこから出したそのタルタルソース‥
「そうだな。私もイェルンと同意見だ。我が国は魔族とも戦えるよう魔道具を開発していた。そしてそれを率先して行っていたのがヨエクだ。彼奴が魔族と繋がっているとは思えぬが‥」
やはり王様たちは知らないんだな。
少しでもヒントがあればと思ったんだが‥
「そうなんですね。ですが今俺たちを狙っている奴らは魔族と関連のある者です。」
「なんだと!」「なんですと!?」
俺はイェルンさんから飛んできたタルタルソースをハンカチで拭きつつ話を続ける。
「ギルドを襲った紫色の肉塊ですが、先程俺が偵察に行った時も遭遇しました。ギルドを襲った奴とタイプは違いましたが同じ物だと思います。そしてそれらはある物を自分の体内に取り入れた事で変化したと思われます。」
「体内に取り入れた?」
「はい。確証はありませんが、恐らく魔族の身体の一部と思います。どうやって身体に取り込んだのかはわかりません。無理やり身体の一部を埋め込んだのか、それとも液化でもさせた物を身体に吸収させたのか‥ただわかったのは魔族の弱点である光属性の攻撃でも動きが鈍るだけで倒す事はできないという事でした。」
「そ、そんなものが‥光属性の効かない魔族など、倒しようがないではないか!」
「ええ。しかし完全ではないようで、俺が持っていた光属性の剣と高火力で燃やし尽くす事で倒す事が出来ましたけどね。」
「なるほど‥しかしそんな事ができるのは貴公のパーティだけではないか‥」
確かに俺たちパーティなら何とか倒す事ができるけど、普通の騎士などが戦う事になれば死が確定するだろうな‥
「ところでマルコイさん‥」
「何でしょうイェルンさん。」
「マルコイさんが持っている光属性の剣とはなんでしょうか?そんな凄いものを持っているんですか?」
うお!
しまった、つい口が滑った!
どうしよう‥
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