第797話
「それはどういう事だね?順に説明してもらってもいいかな?」
「順番言うと?」
「そうだな。軍事力も気になるが、君がホット商会の関係者だというのは本当の事なのか?」
「ええ。うちがホット商会の副会長やらしてもろてます。」
「なっ!ホット商会の上役とは思ったが、まさか副会長とは!」
実際は会長よね。
マルコイってばホット商会の売り上げとか知らないもん。
わたしもだけど。
「ホット商会は今や商会としては1、2を争う程の大商会だ。確かにホット商会と比べるならヨエク王の持っている資金なんて微々たるものだろう‥」
そ、そうなんだ‥
ホット商会ってそんなに大きいんだ。
確かにわたしたちパーティというか特にマルコイだけど、魔道具作る時なんてお金を湯水のように使ってるもんね‥
それでもキリーエはまったく止める気配もないし、どちらかというと応援してるからなぁ。
まあその魔道具をヒントに色々なものを作って売ってるみたいだし、マルコイが突然作り出す料理があるからホット商会も大きくなったんだろうけど‥
それにしてもヨエクって鉱山持ってて、かなりお金を稼いでいたのよね。
その資金にはアザウア伯爵たちが協力しても敵わないほどって言ってたけど、それを微々たるものってどれだけホット商会はお金持ってるのかしら‥?
今度キリーエに聞いてみようかな‥
いや、やっぱり何となく怖いからやめておこう。
「まさかホット商会の副会長とは。これは失礼しました。」
そう言ってアザウア伯爵は頭を下げる。
「いや、どんだけ大きくても商人やさかい、貴族様に頭下げられると困りますわ。」
何故かイェルンさんがアワアワしてるんだけど‥
この人本当にトールルズの宰相なのよね‥?
「ところで軍事力にも当てがあるという事でしたが‥確かにホット商会であれば私設軍などがあってもおかしくないと思いますが‥」
「ええ。懇意にしている傭兵団があります。ただ、その傭兵団はまだこちらに向こうてる途中なのでもうしばらくかかります。ただ傭兵団がいなくてもヨエク兵程度であれば問題ない程の戦力がありますから。」
「戦力?」
「ええ。ここにいるアキーエちゃんなら、ヨエク兵の一万や二万くらい1人で相手出来ますわ。」
な、な、なんて事言うのよキリーエ!
「ちょ、ちょっとキリーエ!」
「すみません‥」
それまでジッと話を聞いていたバクスターさんが話しかけてきた。
「自慢ではありませんが、自分はSランクに近い力を持っていると思ってます。それでも自分が一度に戦える相手は10人程度。体力、魔力が尽きるまで戦っても100人程度が限界だと思います。その中にAランク程度の力の者がいればその半分になりますし、ヨエク王の兵の中には自分と同等程度の力を持った者もいるはずです。その女性1人でヨエク王の兵を相手するなど、現実的にありえないでしょう。」
「やはりそうか‥すみませんキリーエ殿。前王に協力するかどうかは、ホット商会の傭兵団が到着してから決めさせてもらっていいだろうか‥?」
まあそうよね。
わたしみたいなのが軍と戦えるって言っても信じられるわけないわよ。
キリーエも何を言い出すのよまったく。
バクスターさんに視線を向ける。
謝ろうと頭を下げようとした時に、バクスターさんが笑ったような気がした。
むっ‥
ちょっと馬鹿にされた気がするんだけど‥
「確かにいきなり言われても信じられへんのはわかります。でも彼女『爆殺女神』のアキーエちゃんやったらヨエク兵がいくらおっても関係ないですわ。」
「なっ!『爆殺女神』だとっ!」
なんでその二つ名は知ってるのよ‥
そして何でアザウア伯爵はそんな怯えた顔してるわけ‥
「そ、空を駆けるドラゴンも地を這いずるゴブリンも全てに等しく爆破を届けるあ、あの『爆殺女神』かっ!」
アザウア伯爵‥?
それにしても何だか段々と酷くなってる気がするんですけど‥
これってマルコイのせいよね?
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