第792話

「イェルンさん。予定が狂いましたね。どうします?これから中立の貴族に接触しますか?」


当初の予定ではあの教会を拠点にして、中立の貴族に接触しながらこちらの勢力を増やしていく予定だった。

しかしヨエク側の動きが思ったよりも早く、冒険者ギルドを潰すという行動をとってきた。


「そうですね‥多分時間をかける暇はなさそうですね‥ですが、ヨエクを倒してもヨエク側についている貴族をどうにかせねばなりません。ヨエクの出方をみながら、勢力拡大も進めていきましょう。」


王様が王の座についた後に貴族を取り潰せば済む話と思っていたが‥


「王が王の座に戻ったとしても、その時点では貴族の力が大きく、ヨエク側についた貴族を取り潰す事ができません。王の座に戻った時に、ある程度の貴族を味方につけておけば取り潰しも可能になるでしょう。」


「なるほど。確かに王様が戻ったとしても、兵力などで強くは出れないって事なんですね。そうか‥それなら俺が鉄人形を1,000体作ったとしても意味はないのか‥」


「い、いやマルコイさん‥そ、それはそれで‥」


権威の象徴のような魔道具があればいいだろうか‥?


持っているだけで、敬わられるようなそんな素晴らしい魔道具を作る必要があるだろうな‥


スキル【創造士】でいろいろな物が作れるようになったんだ、そのうち何かいい物を思いつくかもしれない。


もしイェルンさんが中立貴族の説得に失敗した時のためにも頑張ってみよう。


「‥‥‥‥‥イさん!マルコイさんっ!」


ん?

おっと少しばかり遠い世界に行っていたようだな。


「どうしましたイェルンさん?」


「いえ、鉄人形1,000体は本当にいけるんですか?」


そうだなぁ‥


「1日で作れる数が決まっているので、結構時間かかりますけどいけますよ?いきますか?」


「い、いや!だ、大丈夫です!ただ、よければさっきの素晴らしい人形を数体、自分と王の護衛につけていただければと思って。」


「いいですよ!どうぞどうぞ。」


ふむ。

魔道具好きに悪い奴はいない。

ちょっとクセのある人と思っていたが、魔道具好きなら問題あるまい。


数体と言わずに10体程持っていってもらおう。


「今回出てた奴を修理してイェルンさんに渡しましょう。よかったですよ、イェルンさんがこの鉄人形の素晴らしさに気づいてくれて!この曲線美にスムーズな動作、カッコよ過ぎて見惚れてしまいますよね!」


「え?い、いや、この邪神の使いのような真っ黒い出立に、邪神のような強さが敵を畏怖させると思いまして‥」


ちっ!

魔道具及び人形愛好家ではなかったか‥

ぬか喜びさせやがって‥


「なので、私と王と一体ずつお願いします。」


「わかった。イェルンさんは王様と行動するんですか?」


「いや、王はマルコイさんとここにいてヨエクの動きに合わせてもらった方がいいでしょう。中立貴族については私1人で命に変えても説得してきます。」


「軽々しく命をかけるなんて言ったら駄目ですよ。キリーエ。すまないがイェルンさんと行動してもらっていいか?」


「ええよ。それにうちがいた方がええ気がするしね。」


キリーエがいれば護衛、索敵、敵勢力の排除と何でも出来るからな。


「あとはアキーエちゃんがいれば完璧やね。」


ん?

キリーエだけで大丈夫とは思うけど‥


さっきの肉塊が出た時のためかな‥


「マルコイ、わたしキリーエと行くわね。」


「おう。頼んだぞ。」


アキーエとキリーエ、それにイェルンさんとクィリーノさんで貴族の元に向かう事にする。


あとは俺と王様、それに‥‥‥


ミ、ミミウとリルとアレカンドロかぁ‥


このメンバー大丈夫かな‥


みんな言う事聞いてくれなさそうなんだけど‥


むぅ‥


ミミウはご飯があればいいのと、アレカンドロは強い敵がいればいい。


リルは‥


どうしよう‥?


う〜む、若干先行きに不安が残るなぁ‥







----------------------------------------------------------------------

近況にも書いてますが、ブログ始めました。

遊びに来ていただけたら嬉しいです!修正している本編や、書いている時に考えてた事などを載せてます!

https://ogicon3777.com


〇読んでくださった方へ

よろしければ、星をポチッとしていただけると、とても嬉しいです。

今後の執筆のモチベーションにもつながりますので、ぜひよろしくお願いします~!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る