第764話

1匹のモンスターの頭が破裂したかと思ったら、続けて3匹のモンスターの頭が破裂した。


5匹いたモンスターは残り1匹となり、そのモンスターも後を追うように頭を破裂させて動かなくなる。


何が起こったかわからず警戒を最大限に高める。

何かいる‥

音も立てずにあれだけの攻撃を放てるやつがここにいる‥


音を立てずに‥?


俺は後ろを振り向く。


すると銃から出る硝煙をふっと息で散らしているキリーエがいた‥


え?

うそ‥


自分で使ってた時は気づかなかったけど、他の人が使ってるの見るとこうなるんだ‥


「ふっ‥さすが『プロミネンス』や。相手はやられた事も気づかず倒れたみたいやな‥」


音もなく近寄って音もなく敵を倒す。


どこの暗殺者ですか‥


「す、すごいなキリーエ‥」


「いや、凄いんは『プロミネンス』や。ありがとうマルコイさん。あちっ!」


キリーエはプロミネンスに頬擦りしようとしてあまりの熱さに悶絶していた。


そりゃそうだ。


まだ熱は抜けてないだろ。


珍しくお馬鹿なキリーエを見れたな。


しかし‥


俺ってまたやってしまったのかもしれない‥





中を進むとかなりの確率でモンスターと遭遇した。


それを倒すのに、キリーエが先制するものだから全員がずるいと言い出して、戦う順番を決める事にした。


だってアキーエが負けないように魔法使おうとするんだもん。


アレカンドロに関しては斧投げてたし、リルもどうにかして攻撃しようとしてたけど、リルの遠距離攻撃はどうしても溜めがいるので最終的にはこいつも刀投げようとしていた。


曲がってもなおしてやらないからな‥


そんなこんなで進んでいくが、やはりキリーエの討伐スピードが早過ぎる。


特に溜めも必要ない攻撃なので、姿が見えた時には頭がポーンッと破裂している。


ただ1発金貨10枚の攻撃なので、見ている俺が気が気じゃない。


それとなく言ってみたが、「武器に慣れるまでは必要経費や」と言って聞き入れてくれなかった‥


俺のお小遣いが減らない事を祈る。




鉱山の中を進んでいると、たまに鉄鉱石などが落ちている事があった。


「これは鉄鉱石だよな?鉱石が落ちたままになってるなんて、かなり雑な仕事をしてるのか?」


鉄鉱石を懐に入れながらキリーエに聞いてみる。


「普通は回収してるんやと思うけど‥ただこの鉱山のメインはミスリルもオリハルコンみたいやからね。鉄鉱石は回収されてないのかもしれんわ。」


「そんなに希少な鉱物が採れるのか?」


「そうみたいやね。ヨエクの軍備や新兵器の開発なんかもヨエクが出資してたみたいやし。」


そうか‥

そんな希少な鉱物が採れるのか‥


どこか掘ったら出てこないかな?


ミスリル何かが掘れたら、家計の足しになるのだが‥


「マルコイさん。ちょっといいですか?」


珍しくミミウが確認をしてきた。

ずっと何か食べてるし、食べ物以外に気になる事があるなんて‥余程の事だろう。


「ノームさんが、少しこの鉱山を散歩してきたいって言ってるですぅ。たくさん石があるから、少し見てくるって言ってるです。」


なんですと?


「そりゃいいぞ。俺の『スペース』はまだまだ入るから、採れるだけ持ってきていいぞ。ヨエクの資金源も潰せるし、俺の‥‥俺たちが使える鉱石が増えるから一石二鳥だ。」


「よかったですぅ。それじゃノームさんたち、行ってきていいって言ってくれたですよ。」


ミミウがノームに声をかけるとミミウの元から沢山のノームたちが出てきた。


技能眼を持ってるから精霊が見えるのかな?


まあそれも気になるが、それよりもミミウのそばにいたと思われるノームの数が半端ないのが気になる。


最初に【精霊重士】のスキルを覚えた時は1匹だったのに、今は数えるのも大変なくらいの数がいる。


このだけの数がいれば、かなりの数の鉱石を持ってこれるかもな。


微々たるものかもしれないけど、これでヨエクの資産にダメージを与えてやれるかもしれないぞ。










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