愛別離苦

第729話

馬車に揺られながら獣人国を目指す。


馬車は2台なので、もちろん俺たちパーティと正人たち勇者パーティそしてボヤンと男性がもう1人乗っていた。


ふむふむ。

チャンスじゃね?


高ランクの冒険者に【技能眼】を試してみるとしよう。


まずはボヤンからだ。


行くぜ!

爆ぜろ俺の【技能眼】!


「う、うぬ‥」


ボヤンが【技能眼】に反応したのか居心地悪そうにしている。

周りをキョロキョロしだした。

やはりスキルを使われている事はわかるみたいだな。

ここが味方しかいない状況だからボヤンもそこまで警戒してないみたいだが、一対一であれば難しいのかもしれないな‥


まあそれはいいとして‥

さてさて、どんな感じですかな‥?


ボヤン

スキル【工芸士】

道具や機械を見るだけで、仕組みがある程度わかる。細かな作業をする時に補正がつく。


うわ、マジか。

ある程度の仕組みがわかるって事は、部品さえ有れば同じような物を作る事ができるってわけか!

実物じゃなくても出来るのかな?

知識としてある物でも、ある程度仕組みがわかるのであれば、異世界の知識にある物が作れるようになったりするのか?


う〜ん、何としても模倣したいスキルだな‥

しかしスキル【工芸士】で高ランク冒険者か‥

多分戦いで使えるような道具を作って戦っているんだろうな‥


それじゃあもう1人の男性のスキルはどんなものかね。


俺は男性に【技能眼】を使う。


男性はスキルに気づいたのか、その場で槍を取って立ち上がり周りを警戒し出した。


まずい。

やはり警戒されたか。

【技能眼】はかなり有能なスキルだが、使える状況が限られるのかもしれない‥


「どうかしたのか?」


ボヤンが突然立ち上がった男性に声をかける。


「ボヤンは気づかないか?だとしたら俺だけか‥?どこからか見られているぞ。まとわりつくような視線を感じる。」


あ、なるほど。

そんな感じになるわけですね。


しかしヤバいな。

何と言い訳しようかなて


言い訳を考えているとアキーエと目が合う。

そして焦っている俺の顔を見て悟ったのか、深いため息をついた。


「ごめんなさい。スキルのレベルアップのためにスキルの練習をしていたの。何も影響はないんだけど、不快にさせたらごめんなさい。」


「あっ、爆殺女‥‥アキーエさんでしたか。いえ、全然大丈夫ですよっ!お気になさらずにどんどんやって下さい!」


ありがとうアキーエ。

でも今あの人、爆殺女神って言いそうになったよね‥


そうかそうか。

アキーエって爆殺女神の二つ名で通ってるのか。

カッコいい二つ名でよかったなぁ。


あれ?


アキーエにめっちゃ睨まれてるんですけど‥

え?

爆殺女神ってカッコよくないか?

何故だろう?

身の危険を感じるんだけど‥


えっと‥


うん。

とりあえず後で謝ろう‥




エーリッキ

スキル【槍士】

槍を使う時に補正が入る。



残念。

エーリッキさんは【槍士】だったか。


しかし何故【槍士】なのだろう‥?

高ランク冒険者だから、おそらく【槍鬼】か【槍聖】までには系統進化しているはずだと思うが‥

もしかして【技能眼】はスキルを見るスキルだから、系統進化したスキルではなく、根本となるスキルを表記するのだろうか‥?

まあこれは後で検証だな。


さて何とかボヤンのスキルを模倣したいところだが‥この状況でスキルを聞き出すのは不自然なよな。


アキーエが聞いたらすぐ答えてくれそうな気がするけど‥


今のアキーエにお願いする勇気がない。

だってめっちゃ怖いんだもん。


さてどうするか‥


「そういえばボヤンさん!モンスターと戦ってた時に使っていた道具は何というものですか!?」


卓が突然ボヤンに話しかけた。


戦闘の時に使っていた道具‥?


「あの武器を連射する道具は素晴らしいです!魔力がこもってないとはいえ、あれだけの威力のある攻撃を連射するなんて!もしかしてボヤンさんは何かしらのスキルを持っているんですか!?」


卓ナイス。






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