第726話

はぁ‥

死ぬかと思った‥


だいぶ慣れたつもりではあったし、強くなったつもりではあった‥


それでもミミウの胃袋には一生勝てないのだろう‥

はい、疲労骨折してしまうほど酷使しました。


途中でポーションじゃ間に合わなくて、エンチャント:慈愛なる者を使わないと回復が間に合わなかったよ。


だってミミウさん、作ったそばから食べていくんだもん。


海鮮欲が落ち着いて、肉に戻っていったので何とか抜け出せたけど‥


このまま肉料理を食べて満腹になってほしい。

ミミウに満腹感があればの話だが‥



会場にいるドワーフを見ると、流石にミミウ程ではないが、かなりの食欲を持った種族だった。


もちろん酒も飲んでいたが、酒を飲むペースと物を食べるペースが一緒だもんな。

多分食べ物も飲み物と思っているんじゃないだろうか‥


ミミウの種族については、落ち着いてから聞く事にしよう。

もしかしたらミミウに伝えないといけないかもしれないしな。


ミミウの育ての親であるイルムさんが何か知ってるのかもしれないけど、拾った経緯などを考えると多分イェルンさんに聞いた方が早いのかもしれない。


キリエル村のブレンダンさんの話、それとヨエク将軍の話‥

もしかしたら繋がるかもしれない。


だとしたら軽率にミミウに伝えるわけにはいかないだろう。


アキーエやキリーエと話をしてから決めるとしよう。





さてさて、それはさておき早速新しいスキル【技能眼】を使ってみようじゃないか。


会場を見渡して、料理を出したりお酒の空を下げたりしているメイドの女性が目に入った。


最初はこの女性にしてみよう。


おそらく鑑定と一緒で、スキルを使用すると相手に魔力で気づかれてしまうかもしれないからな。

変な揉め事を作るわけにはいかないし。


それじゃあ、スキル【技能眼】!


「えっ?」


女性が急にキョロキョロして周りを確認し出した。

やはり魔力は感じるようだな。


でもスキル【鑑定】とは違い、スキルを使おうと魔力を練った時に気づかれるような事はないようだ。


周りを見たが、スキル使用に気づいた人はいないようだ。


これならスキルが発動するまで相手に気づかれる事はなさそうだ。


だが高ランク冒険者や上位魔族相手だとどうなるか‥

これは試してみないとわからないな‥



メージー

スキル【給仕】

給仕の際、所作に補正が入る。



おお!

これはいい。

スキル【鑑定】と違い、スキルの説明まで見れるわけか。


メージーさんか。

メイドさんらしいスキルだな。

あとはこれを模倣するだけだ。


「すみません。お茶をもらっていいですか?」


俺はメージーさんに声をかける。


「はい。すぐに伺います。」


メージーさんは俺の所にやってきて、トレイからお茶のコップを近くのテーブルに置く。

そしてコップにティーポットから紅茶を注ぐ。


スキルレベルの表示はなかったので、スキルレベルはわからないが、王城にいるメイドさんだけあって所作が美しい。

これがスキル【給仕】の効果か。


「お待たせいたしました。どうぞ。」


メージーさんがお茶を持ってきてくれた。


「ありがとうございます。それにしてもとても優雅ですね。何かスキルを持たれているんですか?」


「ありがとうございます。私はスキル【給仕】を持っていますので。」


にこりと綺麗な笑顔を見せてくれるメージーさん。


(ピコーンッ)


『模倣スキルを発現しました。スキル【給仕】を模倣しました。』


おお!

スキルを模倣する事ができた!


これは凄いぞ。

今までのカードを見るという動作がなくなるだけで、ここまで簡単にスキルを模倣する事ができるなんて。


「なるほど。そうなんですね。とても美しく、美味しい紅茶をいただく事ができました。ありがとうございます。」


メージーさんは軽く頭を下げて去っていった。


よしよし!

これでスキルをもっと模倣できるぞ!


「マルコイ、女に声かけてる。アキーエに報告。」


ゆっくりと声のした方を振り向くと、リルと目が合った。





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