第615話

「ただいま〜!」


俺はエルエス兄さんたちに応援を頼んだ後、獣人国の家に戻ってきた。


「おかえりなさいマルコイ。神聖国での用事は済ましてきたの?」


「ああ。アキーエ、でもね‥」


「そう。やっぱり何か問題持って来たのね。そうだろうなって思ってはいたのよ。どうする?みんな集める?」


うむ。

さすがアキーエさん。

わかっていらっしゃる。


「そうだな。ちょっと大きい問題持って帰ってきたから、みんな集まった方がいいかも。」


みんなに協力してもらう事になると思うしな‥

それに女神様の事も話していた方がいいだろうな。


「勇者たちはどうするの?一緒に集める?」


「いや、とりあえずはパーティだけに先に話しとこうと思う。どうせ正人たちにも関係はしてくるけど、別で俺から話すよ。」


「わかったわ。」




家の応接室にみんな集まってもらった。

正人たちは、今日はギルドに行っているようで不在だったので丁度よかった。


食べ物巡りに行く予定だったミミウさんが、お腹減ったとの事で、ピザをモリモリ食べているのもいつもの光景だ。


「それでは!第ほにゃらら回!これからどうしましょう会議!」


「「わー!」」

「モガー!」

「わ‥‥‥‥」


ミミウさん食べながら返事しない。


あとリルさんもう少し声を張りましょう。

‥そんなに睨まないでくれますか?


「はい!えっと、今回は今後どうしようって言うよりも俺が勝手に決めて来た事の報告だ。それでもし反対があれば不参加でも構わないと思ってる。俺が大事なのはみんなだからな。」


「はい。」


「おう、アキーエさん!」


「もう今更よ。誰も反対しないしマルコイが決めた事について行くってみんな言ってるでしょ。それで?今回はどんな内容を持って来たの?説明してもらってこれからどうするか決めましょうよ。」


「そうですぅ!みんなついては行くですよ!モグモグ‥」


ありがとうアキーエ。

ありがとうミミウ。

飲み物を飲まないと喉に引っかかるぞ。


「そうですな。自分もマルコイ殿について行きます。強い人がいそうですからな!」


ありがとう脳筋。

あ、間違えたアレカンドロ。


「ふふ。やっぱマルコイさんがおらんと、おもんないしね!」


キリーエさんについてはこちらがお世話になっております。

お小遣いください。


「リルは‥‥リルはアキーエついて行く。」


うん。

あり「キシャーッ!」がとうリル。


「わかった。ありがとうみんな。それじゃあ神聖国であった事を話すよ。」


俺はまず、グルンデルさんとの話した内容と帝国の現状について話をした。


一月という期間。

それに帝国に数人の魔族がいる事。

神聖国は国を守るために戦う事。

そしてグルンデルさんは神の加護で乗り切れると思っている事。


「はい!」


「はいアキーエさん!」


「帝国兵と神聖国が普通に戦ったら、おそらく神聖国が勝つって事よね。」


「そうだな。戦力的には同程度だけど、俺が残した魔道具を使う事で多少神聖国が有利になるって事だった。」


「つまりそれ以外の戦力である、魔族とモンスターが問題って事ね。モンスターだけなら『アウローラ』と『ガルベスト』でなんとかなると思うけど、魔族が参戦するのなら、こちらも勇者が必要になるわけね‥」


「そうだな。だが、トールルズの事も気になる。彼方にも魔族が手を打ってくるようであれば、戦力的に足りなくなるってところだな。」


「向こうはマルコイが光属性使えるのって知ってるのかしら?」


「そうだな。『あのお方』がかかわってるのであれば、魔王まで伝わっている可能性はある。だが、これに関しては少し考えてる事があるんだ。もしこれが失敗した時は俺と正人たちで戦力を分けて戦う必要があると思う。」


「考えてる事?」


「ああ。でも試した事もないからな。あまり当てにしない方がいいのかもしれないけど、できるかもしれない事をやっておくべきだろ。」


そう。

出来る事は全てやるべきだ。

あれだけの魔力回路があるんだもん!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る