第460話
皆が戦場に向かうなか、俺はスキャンとライリーを探した。
「あ！マルコイさん！」
向こうも俺を探していたようで、スキャンは俺に会えた事に安堵していた。
「すまないなスキャン。ゴーレムを渡す前に氾濫が起きてしまったようだ。」
「いや、全然構わないよ。俺は先行部隊じゃないからね。それにゴーレムの足なら多少遅れたところで十分追いつけるよ。」
俺は『スペース』からゴーレムを出す。
するとスキャンはゴーレムに駆け寄ってきて、ゴーレムに声をかけた。
「久しぶりだなゼロ。それじゃあ今からモンスターを倒しに行くぞ！」
うむ。
名前までつけているとは‥
随分と愛着が湧いたようですね。
スキャンはすぐにゴーレムに乗り込み出発の準備を始めた。
「ライリーはどうする？スキャンについていくのか？それとも俺たちと一緒に行くか？」
「そうだね‥マルコイについていきたいところだけど、スキャンさんが心配だから、スキャンさんについていくよ。」
嬉々としてゴーレムの準備をしているスキャンを見ながらライリーは言った。
「わかった。それじゃあここで魔道具を渡しておく。」
俺は『スペース』からライリー用の魔道具を取り出す。
ライリー用に作った魔道具。
それは腕輪と足輪。
それにペンダントとベリーチェーンだ。
「ライリー。これは全て装着してから魔力を流してくれ。魔力を流したら、それはライリーの身を守る鎧になってくれる。」
「わかった。ありがとうマルコイ！」
ライリーはその場で魔道具を装置する。
「身につけたらそれぞれの魔道具を意識して魔力を流してくれ。」
そしてライリーが魔力を流そうとする。
「マルコイさん！それじゃあちょっとモンスター相手に暴れてきますよ！」
スキャンが準備が終わったようで、戦場に向かおうとしていた。
「あ！待ってスキャンさん！俺も一緒に行くから！」
「え？大丈夫なのか？マルコイさんと一緒にいた方がいいんじゃないか？戦場までは俺のゼロで連れて行く事は出来るが、戦う時は守ってやる事はできないぞ。」
「大丈夫。俺もマルコイから魔道具をもらったから、自分の身は自分で守れるよ。それにゴーレムに乗ったスキャンさんはほっといたら調子にのって何するかわかんないからさ。」
あ、そうなんだ。
渡した後に練習しといてって言った後、特に確認もしなかったしな。
ゴーレムは秘密基地に置いてたから、いつでも使える状態だったんだっけ。
「スキャンさんは、ゴーレムの操縦桿握ったら人が変わるんだから。ちゃんと俺がそばにいて、やり過ぎないように見とかないと。」
なるほど。
いやにライリーがスキャンを心配していると思ったら、そう言う事なのね。
「わかったよ。それじゃあ出発するから、戦場近くまでゼロの腕に乗ってくれ。」
スキャンは頬をかきながら、ライリーにそう伝える。
「それじゃあマルコイ行ってくるね！」
「マルコイさん。先に戦場に行ってきます！」
2人はそう言うと戦場に向かってゴーレムで走り出した。
ライリーの変身を間近で見たかったんですけど‥
まあしょうがない。
後のお楽しみにするかな。
でもライリーはあんな乗り方をしたらお尻が割れないかな‥？
先行部隊が出発してから、しばらくして後発部隊も準備ができたので戦場に向かうようだ。
俺は2人の団長に声をかける。
「ぶっつけ本番での魔道具の使用になるから、何かあるとまずい。だから俺は先行して戦場に行ってくる。俺の仲間はこっちに残ってもらうから、何かあったら伝えてくれ。」
「了解した。」
「わかりました。」
「アキーエ。何かあったらすぐに知らせてくれ。」
「わかったわ。マルコイも気をつけてね。」
俺は頷くと、羽根人形を使い空に舞い上がった。
急がなければ！
せっかくの俺が作った魔道具の成果を見逃してしまう！
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます