第449話
な、なんで突然『ガルベスト』が依頼を受ける事になったんだ?
それにスネタさんってそんな権限を持ってる人なの?
「いえ、あのぅ‥今回はエルエス兄さんに個人的に依頼をさせてもらおうと思ってたんですけど‥」
「マルコイさん。エルエスさんが持っているミスリルの槍はマルコイさんが渡されたんですよね?」
「ええ。そうですよ。」
「マルコイさんは『アウローラ』にも魔道具を渡されてるんですよね?それで今回『アウローラ』とエルエスさんを連れて行くのは、その魔道具の実験と言ったところでしょうか?そこでマルコイさん。魔道具の実験とは、『アウローラ』とエルエスさんだけで事足りるんでしょうか?もしよろしければ討伐依頼に『ガルベスト』で参加する代わりに『ガルベスト』にも魔道具を譲っていただけないでしょうか?もちろん報酬は魔道具だけで大丈夫ですよ。」
えっと‥
そりゃ実験してくれる人が多い方が、こちらとしても面白いんだけど。
しかも魔道具を渡すだけで、依頼金は必要ないって事だよね。
どんな人たちかわからないのが気になるけど、エルエス兄さんが所属している傭兵団だ。
悪い人たちではないと思う。
「わかりました。それでお願いします。」
するとスネタさんは極上の笑みを見せる。
「『ガルベスト』への依頼ありがとうございます。傭兵団『ガルベスト』の団長、スネタがこの依頼受けさせていただきます。」
え?
俺はエルエス兄さんの顔を見る。
「そう言うこった。うちの『ガルベスト』の団長は受付嬢の真似事が大好きな、『悪鬼の双槌』スネタが団長なんだ。」
そ、そうなのか!
なんか受付の人にしては、丁寧なんだけど所々おかしなところがあるなとは思っていたけど‥
「わかりました。それじゃあ神聖国のモンスター氾濫の制圧、お願いします。」
「はい。ありがとうございます。」
こうやってみると本当に優しそうな女性なんだけどなぁ‥
エルエス兄さんが言ってた棘が生え過ぎてるってのは本当なんだろうか?
「どうかしました?」
スネタさんが俺の顔を覗き込むように見ている。
綺麗なんだけど、やっぱりなにか怖いです‥
「ところで、スネタさんの二つ名は『悪鬼の双槌』なんですよね?それじゃあ武器はハンマーを使われてるんですか?」
「はい。2つのハンマーを使って戦わせてもらってます。」
「マルコイ。そいつはバカでかいハンマーを2つ使って戦うスタイルだ。怪力具合は傭兵団1だと思う‥いだだだだ。」
「もう。エルエスさんったら。怪力なんて言わないで。」
うおっ!
スネタさんは片手でエルエス兄さんの顔を掴んで持ち上げている。
こ、こりゃ強いわ。
「でもマルコイさん。なんでそんな事を聞かれるんですか?」
「いえ、せっかく魔道具を渡すなら、『ガルベスト』の団員さん用とスネタさん用を用意しようと思って。」
「あらあらあらあらあら!やっぱりマルコイさんは魔道具をお作りになる事が出来るんですか!?そんな素晴らしい能力をお持ちなんですね!」
スネタさんが掴んでいたエルエス兄さんを放り投げて、此方にグイグイ来る。
目が獲物を狙っているハンターのようだ。
「マルコイさんはご結婚されてますか?奥さんは何人いらっしゃいます?何人までは妻を迎えようと思ってらっしゃいますか?」
ハンターだった。
「スネタ。マルコイは今4人ほど恋人がいる状態だ。お前が入る余地なんてないぞ。」
いや、そんなに恋人いませんけど?
「むぅ。残念ですね。でも4人もいるなら5人いても大丈夫ですよね?」
「い、いや、すいません。無理です。」
俺がそういうとスネタさんは、ガックリと床に項垂れた。
「せっかくのお金持ちになる有望株を見つけたと言うのに‥およよよ。」
むう。
恋人なんていないけど、スネタさんはちょっと‥
「それよりもスネタさん用の魔道具を作るのに情報として欲しいので装備品と、もしよかったらスキルを教えてもらってもいいですか?」
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