第438話

メンセンを連れて秘密基地で実験を行った。


結論から言おう。


成功っちゃ成功。

でも問題点も多しってところだった。


魔道具自体はそれほど問題はなかった。

まあちょっとした問題を挙げるとするなら魔力を流してから魔道具が動き出し、鎧として完成するまでの時間がかかり過ぎる事くらいか‥


魔力を流す量を増やせばもう少し早くなるんだろうが、メンセンの魔力量だと10分くらいかかった。


まあ要改善だな。


メンセンが魔力を流してから、鎧が完成するまでの時間が何とももどかしかった‥


鎧は完成したと同時にメンセンの身体に何本かの針が刺さる。


メンセンの魔力を使い、身体能力を向上させる魔力回路が発動すると同時に、別の魔力回路が空気中の魔力を取り込みメンセンの身体に直接魔力を流して魔力を回復させた。


この辺りは特に問題はなかった。


メンセンは毎回この針に刺される痛みに耐えなければいけないのか?みたいな情けない事を言っていたが、傭兵だし、男だし、このくらいの痛みは我慢してほしいところだ。


なので、この辺は改善しなくてもいいだろ。


魔力回路にて身体能力向上のスキルや魔法を持たない人も身体能力向上を使えるようになる。

そして魔力を使っているが、同時に回復しているので長時間使う事ができる。


長時間、身体能力をあげる事ができ尚且つ、魔力切れなどの心配もないのである。


これに体力回復させる魔力回路をつけたら、かなり長時間戦い続ける事ができるだろうな。


体力を回復させる魔力回路を考える必要があるし、収納型鎧だとそんな魔力回路を取り付ける場所がないから、作るつもりはないけど。


しかし装着する時こそかっこいいが、これと言った特徴のない鎧になってしまった。


次は収納型の武器の検討をする必要があるな。


念のためにモンスターと戦う事になった時の為に、シャッター式鎧と殴ったら爆発するナックルガード、ぶつかったら爆発するショルダーガードを渡しておいた。


ふむ。

かっこよく出来上がったが、まだまだ改良の余地はあるな。


「メンセン、とりあえずスキャンと模擬戦でもして使い勝手確かめといてくれる?俺は武器になりそうな魔道具を作るとするから。そのシャッター鎧君と、爆発装備2号と3号は渡しておくから。」


「わかった。充分過ぎるくらい強いんだが、これで納得いってないのか?」


「そうだな。これだと決定力がない。まだ搭乗型ゴーレムの方が圧倒的に強いと思う。まだまだ改良しないといけないな。しばらくアースンから離れてたから一度戻るよ。出来上がったら持ってくるから、待っててくれ。」


そろそろアースンの方も動きがあってるかもしれないから、一度戻らないとな。


「わかった。マルコイさんが戻るまで訓練でもしておくよ。もし討伐依頼とかあったら使ってみてもいいか?」


「お願いするよ。それじゃあまた後で。」


俺はメンセンと別れて、転移でアースンに戻った。





アースンに戻り、ホットモールをぶらつく。


メンセンの魔道具がな〜‥


魔道具を起動した時点で、シャッター鎧君以外にハンマーのようなメンセンに似合いそうな武器が一緒に出せたらいいんだけど‥


別に指輪とかつけてそれにシャッター式の武器を収納するか?

中身が空洞のハンマーならできるかな‥


「マルコイ!戻ってきてたのね?何してるの?」


アキーエが俺を見つけて走り寄ってきた。


「いや、メンセンの魔道具を考えてたんだ。ここ数日で作り上げたけど、攻撃手段が普通の武器になってさ。せっかくのシャッター鎧君が勿体ないなと。インパクト的にゴーレムみたいに飛び出すパンチくらいの装備をつけれたらいいんだけど‥」


「ふ〜ん、そうなんだ。ところで、その魔道具とか装備の名前ってマルコイが考えてるの?」


「ああ。そうだよ。俺が作って命名してるんだけどどうかした?」


「何でもないわ。でもわたしに何か魔道具作ってくれる時は、わたしも一緒に名前決めたいから言ってね。」


「ああ。構わないよ。」


いつも俺が素晴らしい名前をつけてるけど、アキーエが命名したいってならつけさせてやるかな。

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