第415話

「それでマルコイさん!どんな方法があるん?」


ちょっと待って。

まだ心臓がドキドキしてるから。


「‥‥そ、そうだな。こっちでキリーエが購入したタコやイカなんだけど、タコはそうだな‥タコ焼きでいいと思うけど、これも焼き方を工夫したら目立つと思うよ。例えば200個くらい一気に焼けるタコ焼き用の鉄板を使うとか。」


ただし、焼く人が何人かいるけどね。


「後は今川焼きって、小麦の粉に卵や蜂蜜を入れた生地の中に餡子を入れるお菓子があるんだけど‥」


「お菓子ね。ホットケーキみたいな物になるん?」


「そうだな。普通はその生地を丸く縦長にして、その中に餡子を入れるんだけど、その代わりにイカや野菜を入れて焼いても美味しいみたいだぞ。一緒にマヨネーズを入れたりしたら、より美味しくなると思う。確かいなほ焼き?だったかな。」


この辺の知識は勇者の物になるが、本人がどこで食べたかうろ覚えなので、料理名が合っているのかがわからないな。


「それは美味しそうやねっ!サイズも大中小で選べるようにしたらいい?」


「いや、これについては小というか手のひらに収まる程度の大きさがいいよ。」


異世界では、少し小腹が空いた時に食べたりしてたみたいだからな。


「なるほど!それなら片手で持って歩きながら食べれるし、ちょっと小腹が空いた時にみんな買うから売れるわ!」


さすがキリーエさん。

察しがいいで‥


「そうや!その生地にホット商会って焼き入れしたら、店の宣伝にもなるんやないかな?」


「そ、そうだね。」


「他にも海産類だけやなくて、餡子以外にも卵や加工肉なんか入れても面白いかも!それこそ10種類くらい出してもいいかもしれんわ。中に入れる具材は無限大や!さすがやマルコイさん!マルコイさんの頭の中には恐ろしい程の情報が詰まっとる!」


いや‥

ちょくちょくその情報を見られている気がするんですけど‥


それに追加のメニューについては、ほとんどキリーエさんが考えたんですけど‥


「そ、それじゃあ俺はタコ焼きや、今川焼き用の金属板を作るとするよ。」


「そうやね!それじゃあ、うちは目玉になるタコ焼きと今川焼き用の場所を確保するわ。いや〜、やっぱりマルコイさんに相談してよかったわ。これで間違いなく、この施設は成功するわ!」


ふむ。

キリーエさんが拳を天に突き上げている。


この人ほんとに一代で世界にホット商会を広めそうだな‥


俺は金属板を作りに鍛冶場を借りるため、その場を後にしようとする。


「あーはっはっは!」


た、高笑いまで始めてらっしゃる‥

俺が高笑いするキリーエを見るために振り返ると、何故かすぐ後ろにミミウがいた。


突然その場にいた‥


「マルコイさん‥そのタコ焼き作る道具は200で足りるですか?」


「い、いや、その金属板は何回も作る事ができるから。200個作ったらすぐにまた200個作る事ができるんだ。だ、だから一度に作る量が200個って事だから大丈夫なんだよ。」


「そうなんですか!よかったですぅ!それじゃあ、おっきいタコさん用の道具も作るですか?」


あ、やべ。

オクトパスの事すっかり忘れてた。

それにアレカンドロが採ってきたクラーケンもあるんだった‥


「も、勿論だ!オクトパス用の大きなタコ焼きの金属板と、クラーケン用の今川焼きの金属板を作るつもりだぞ!」


「わーい!やったですぅ!大きなタコ焼き楽しみですぅ!」


う〜む。

だんだんと俺じゃなくて、キリーエとミミウが人族じゃないような気がしてきた。


キリーエの商人としての察知能力と、ミミウの食欲の能力は、多分今のギルドカードや俺の【鑑定】ではわからないレベルのスキルなんだろうな‥


ユニークとかエクストラスキルとか、そんなレベルなんだと最近思うようになってきた‥



今となっては俺やアキーエ、アレカンドロがまともな人族になるんじゃないかな。


あ、アキーエは爆殺女神なんで人族じゃなかった。

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