第400話
「今日はこのために1日空けといたから今から試しにいこうじゃないか!」
俺はクワイスに声をかける。
実は木偶爆弾は威力がどのくらいになるのかわからなかったが近場に確認するような所がなかったので保留してたのだ。
やはり自分が作った物がどの程度効果を発揮するのか確認はしてみたいからな。
せっかくなんで、『アウローラ』に持って行って確認してもらおうと思ったのだ。
「はぁ‥マルコイさん‥‥わかりました。試しに行きましょう。それはどれくらいの爆発を起こすんですか?」
「それがわからないから試してみようって言ってるんだよ。」
何故か頭を抱えて蹲るクワイス。
「マルコイさん‥威力は今から試してみますけど、そんな魔道具も今まで存在しないの知ってますよね?」
もちろん知っている。
だが、この程度で驚いてもらっては困るのだよ。
今からもっと楽しい物を作っていくつもりなのだから。
「『アウローラ』に試してもらう魔道具は構想はいろいろあるんだ。今のスキルレベルでは難しい物もあるから、スキルレベルが上がったら時間がある時に作っていくから楽しみにしててくれよ。」
「あんまり聞きたくないんですけど、例えばどんなのがあります?」
「そうだな。操縦型の巨大ゴーレムの魔道具だったり、普段小手としてはめている物がボタンを押したら全身を覆う装備になったりとか‥うん、夢が広がるね。」
「それを俺達が試すと‥」
「そうそう。別に作り出して売ったりするつもりはないんだけど、せっかく作ったら誰かに使ってもらいいじゃないか。」
「うっ‥それって構想って事はレベルが上がれば作れるって事なんですよね?はぁ‥そんなとんでもない物どうしたのかなんて人に聞かれたら何て答えたらいいんですか!?」
「そうだな‥いい発掘場が見つかったとか言ってればいいんじゃない?『アウローラ』が所有する土地で遺跡が見つかって、そこから発掘されたとか?穴だけ作ってそれっぽくしとけばよくない?」
俺が作って使ってると面倒になりそうだからな。
実は『アウローラ』にそれをやってもらう事で、俺たちが使う魔道具も交流のある『アウローラ』に譲ってもらったって事にしようなんてあくどい考えもあったりする。
これで俺が何か作っても『アウローラ』で発掘された‥と言っておけば問題ない。‥と思う。
「何かすっごい悪そうな顔してますねマルコイさん。」
あ、顔に出てたか‥
俺たちは『アウローラ』の演習場に向かった。
かなり広めの荒野だ。
ここなら多少大きな音がでても問題ないだろ。
「でもマルコイさん。実際内容はともかく助かってるのは事実だよ。俺達は公にはなってないが結果的に魔族の侵攻を防いだって事になるだろ。そうなると魔族が何かしてきた時は今の団の状況では何も出来ずに殲滅されてしまうと思う。だからマルコイさんからの魔道具はありがたい。」
「まあ多分一度失敗してるからすぐに何かしらしてくるとは思えないけど、準備はしてた方がいいとは俺も思うよ。だから遠慮なく俺が作った魔道具を試して欲しい。」
魔族相手にどこまで通用するかわからないけど、これらの魔道具を使いこなせればそうそう簡単に負けるような事はないはずだ。
「それじゃあこの辺でいいかな。」
俺は『スペース』から木偶爆弾を取り出す。
「いや、マルコイさん。どれくらいの威力かわからないなら少し岩陰に隠れる事ができる場所から投げないか?どの程度距離をとったらいいかわからないからな。」
確かにそうだが‥
目一杯火薬は詰めたけど、そこまで威力はないと思うんだけどな。
俺はクワイスに木偶爆弾を渡す。
「後はその上に付いているボタンを押して勢いよく向こうに投げてくれ。そしたら5秒後に爆発するから。」
「わかった。」
クワイスはそう言って準備をする。
さてさてどれくらいの威力になるのか楽しみだ。
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