第398話
うーん、やはり食べ物がかかったミミウは最強だな‥
今回は参加せずによかった。
勝てる気がしないもん。
「マルコイさんは参加しなくてよかったのかい?」
声のした方に振り返ると、クワイスがお酒のグラスを2つ持って立っていた。
そのままクワイスは俺の横に座る。
「ああ。食べ物がかかっているミミウにはどう頑張っても勝てる気がしないからな。」
「はは。そうかそんなに強いのか。俺はアレカンドロに負けちまったからな。」
アレカンドロも強くなってた。
ミミウ相手に善戦してたからな。
【聖鎧闘士】を発現して身体能力も上がったのかな?
クワイスが持っていたグラスを1つ俺に渡してくれる。
それを受け取り一口飲む。
「ところでマルコイさん。この後はどうするつもりなんだい?とりあえず『カッカス』との戦いは終わった。さっきも言ってたけど、本当に獣人国に帰るつもりなのかい?」
「そうだな。この国も住みやすい場所だとは思うんだけど、やっぱり自分たちの家がある国がいいな。獣王様にもちゃんと帰るって言ったし。これからはちょっかい出されない限り獣人国で大人しく冒険者として活動すると思うよ。」
「なんだやっぱりそうなのか。せっかくこの国のトップになるホット商会と懇意になれたってのにな。」
「ははは。でもこれからは俺が作る装備品の実験台‥間違えた装備品の試験運用をしてもらうから長い付き合いになると思うよ。」
人が使う事を度外視したアレとかソレとか‥
「もう不安にしかならないような事を言わないでください‥」
大丈夫!
死人はでないように火薬の調整はします!
「しかしマルコイさん。マルコイさんはあれだけ強いんだ。今この魔王が復活したと言われている中で冒険者としてやっていけるか?それにサントバルも話の内容は聞き取れなかったけど、あれだけ強かったんだ。魔王に与するものじゃなかったのか?」
確かにな。
もうすでにどっぷり関わってるからな‥
「そうだな‥でもさっきも言った通りちょっかい出されなければ、だ。何故か知らないけど向こうから厄介事がやってくるからな。多分また何かしらに巻き込まれるとは思うよ。」
「確かに。今世界は不穏な状況だ。帝国が神聖国に攻め込んだのは知ってるか?世界が協力して魔王に立ち向かわないといけないこの状況で、勇者を有する神聖国に攻め入るなんて普通なら考えられない。確かに神聖国のやり方は悪あくどいし腐ってる。勇者が自国に現れた事をいい事にやりたい放題だからな。それでも俺は勇者が魔王を倒すのに必要なのであれば、神聖国がやる事は必要経費だと割り切る必要があるとは思うんだがな‥」
俺の視界にはパーティのみんながいる。
アキーエはエルエス兄さんと何か話し込んでいる。
アキーエが酔っ払っているのか、何故かエルエス兄さんが正座している‥
キリーエはフーラさんと話してるな。
そろばんとメモ帳を持って話をしているので商売の話なんだろう。
アレカンドロは『アウローラ』の人たちと何故か腕相撲をしている。
さっきミミウに負けたから特訓しているのか?
メンセンが涙目になってるけど‥
ミミウは‥
まだ食べてた‥
あ、俺が途中で交代した『アウローラ』の調理人の人がポーションを飲みながら肉を焼いている。
すまんな『アウローラ』の人たちよ。
多分2〜3日はみなさん外食になると思います‥
「俺は仲間と一緒にいれたらそれでいい。そのためなら魔王とだって戦うさ。」
俺がそう言うとクワイスは少し笑いながら頷いた。
そして『アウローラ』の拠点で行った宴会も夜がふけると終わりを迎えた‥
数日後、俺は『アウローラ』の拠点にまた来ていた。
明日には獣人国に帰る事にした。
その前に今できる装備品を『アウローラ』に渡しに来たのだ。
一応いつでも来れるようにアレカンドロの家には転移するための人工核を用意して、それを空き部屋に設置した。
そのため転移でいつでも来れるのだが、連絡はすぐには取れない。
俺たちが獣人国に戻っている間に戦いがあるかもしれないからな。
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