第322話
とりあえず魔道具を作ることばかり考えていたので、全くの盲点だった。
いや盲点というよりなぜ気づかなかったのか‥
異世界にあって、この世界にないもの。
それは遊具だ。
別に魔道具で生活水準を上げる物だけが売れるわけではない。
生活の質を上げるために、余暇の時間を楽しむ事も大事だと言う事だ。
つまり何が言いたいかというと‥
異世界のおもちゃ作ったら売れるんじゃないかと言う事だ。
あまり難しい構造のものではなくて簡単な構造で家族みんなで遊べるようなものだ。
リバージなんかは頭も使うしいいと思える。
これはホット商会で作れるし、普及すれば大会なんて物もできるんじゃないだろうか。
しかしリバージだとしっかりと考える必要があり、子供と大人が同じように戦うのは難しいかもしれないら別のやつも考えよう。
ちなみに今回考えた物はリバージ以外に2つ。
ひとつは同じ長方形のサイズに切った木を3本ずつ縦向きと横向きに隙間なく重ねていく。
動きやすい木とそうじゃない木があるので見極めが難しい。
いくつか作り宿に持って帰る。
全員が帰ってくるのを待ってジェンガを紹介する。
とりあえず皆んなでやってみることにした。
かなり白熱して上の方まで伸びた。
最後は俺が倒してしまったが、まあ楽しかった。
アレカンドロの指が太くて木が取れなかったのが残念だった。
作る時はもう少し大きめのサイズで作った方がいいのか検討が必要だ。
実はもう一つ作ってあるので、それも試してもらう事にする。
もう一つは小さな樽に切れ目を入れており、それに木で作った剣を刺していき、刺した場所によっては樽の真ん中に入れている人形が飛び出すという仕掛けのおもちゃだ。
小さな樽を作るのも大変だったけど、中にバネを入れたり一回飛び出したら次に刺して飛び出す場所を変えるなんて細かな作りが必要だった。
バネを止めている金具が、中に人形を入れて回せばその場所が変わるようにする作業が1番大変だった。
しかしこれも俺じゃなくても作れるものなので、ホット商会で作る事が出来る。
順番を決めて木の剣を樽に刺していく。
なかなかの緊張感だな。
そしてこれも俺が刺して飛ばしてしまった‥
しかし人形の下につけているバネが強力すぎたのか、人形がかなりのスピードで飛び出してしまったので、皆んなかなりビビってしまった。
よ、よし、もう少しバネを弱くする必要があるな‥
「マルコイさん!これ凄いな!絶対売れるで!」
「そうだな。そこまで高い物を使ってないから、わりと安価で売り出せるし、子供たちにはいいおもちゃになるだろ?」
「絶対なるよ!これもホット商会で出していいんよね?」
「ああ。これが売れたらセイルズの中でもかなり大きな商会になれると思うぞ。これでナイコビ商会も絶対に動いてくるはず。そうしないとセイルズの商会の中でホット商会が1番でかくなってしまうかもしれないからな。」
いい物ができたので満足だ。
あとは大量生産して売り出すだけだな。
「ねえマルコイ。これって勝負事にも使えるわね。」
「ん?そうだな。誰が当たるかは本当に運次第だから勝負事にも使えると思うぞ。」
「だ、だったらちょっと勝負事してみましょうよ。た、例えばマルコイは2回負けちゃったんだから、お休みしてわたしたちだけで勝負するの。そして人形を飛ばした人が勝ち。勝った人がマルコイに何かしてもらいたい事をお願いするってのはどう?」
「ん?俺に出来る事なら別に構わないぞ。ただあんまり無茶なお願いは勘弁して欲しいけど‥」
するとアキーエの目がキラリと光る。
な、何をお願いするつもりですか‥
「よし言質はとったわ。皆んないい?これから真剣勝負よ!」
アキーエは全員を見渡す。
「ミミウはご飯いっぱい作ってもらうですぅ!」
「そやね〜うちは新しい事をもっといっぱい教えてもらおうかな。」
「じ、自分は‥あ、あのその‥」
「アレカンドロ。別に今決めなくていいぞ。勝ったらゆっくり考えてくれ。俺が出来る事ならやるから。」
アレカンドロは模擬戦とかかな?
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