第208話
残ったオーガの討伐は特に問題なく行われているようだ。
まだブルーオーガなどの上位個体も数体残っているようだが、高ランク冒険者たちが連携して討伐に当たっている。
俺はエンチャント:氷と雷を使った反動で魔力不足になったので身体を休めている。
他にモンスターが出た時に動けないじゃまずいしな。
すると騎士団側から大きな歓声が上がった。
何事かと気にしていると近くにいたノギスが情報を集めてきた。
ノギスはオーガ討伐が始まったら俺たちに付いて来たかったようだが、討伐が始まってすぐにブルーオーガと相対して身動きがとれなかったそうだ。
特に怪我などなくパーティで討伐できたそうでなによりだ。
先程の歓声については騎士団側に現れたオーガジェネラルを倒した際に上がった歓声らしく、騎士団長が1人で倒したらしい。
騎士団側は騎士全員がCランク上位からBランク程度の強さを持っており、その中でも騎士団の隊長や騎士団長についてはAランク下位からSランククラスのような猛者もいるらしい。
被害からすると騎士団の方が少ないようなので流石に毎日訓練をしているだけはあるようだ。
しかし‥
今回のモンスター襲来については少し考えるところがあった。
普段群れを成さないオーガが群れとなって街を襲いに来た。
これに関してはオーガキングという自分たちを統率するものが現れたためと仮定する事はできるかもしれない。
しかし統率するものが現れたからといっていきなり人の街を襲うものなのか?
確かにこれだけの群れになったのだから食料の問題やらで人の街を襲う必要があったのかもしれない。
それにオーガキングが俺を狙ってきたのに関しては疑問が残る。
たまたまなのか、それとも何か相手の力量を測る事ができたのか‥
それであって欲しいと思うけど、おそらく違うのだろう。
オーガキングが統率者なんだろうけど、それを操っていた者がいると考えるのが1番納得できる。
魔族かな。
魔族がオーガキングを率いて街を攻めたのであれば、オーガキングを倒した後に魔族が出てこないのはおかしい。
この街を本気で落とそうと思ってなかったのだろうか?
街の戦力を測るため?
だとしたら第2第3のモンスターの群れが現れるのかもしれない‥
まあその辺は俺が思いついているくらいだ、騎士団やギルド側も気づいているのかもしれないな。
一応俺が思った事をギルド側に伝えるだけはしとくとしよう。
自意識過剰かもしれないけど、俺が狙われてた感じがした事も。
勇者がこっちに来てくれたら、こんなに考えなくていいんだろうけど獣人国と神聖国は仲が悪いから、まず来ないと思ってた方がいいだろうな‥
「どうしたのマルコイ?なんか考え事?」
「ん?そうだな。あんまり目立ちたくないけど、乗りかかった船だから落ち着くまではこの国にいないといけないかなと。」
「なに言ってるのよ。あんまり目立ちたくない?今日1番目立ってたのはマルコイだったじゃない。今更よ今更。」
「なに言ってるんだい。1番目立ったのはデストロイヤーだったアキーエだぞ。」
「誰がデストロイヤーよっ!」
オーガの討伐が落ち着いてきた戦場にもう一度放射型の魔法拳が放たれた‥
アキーエさん‥
ツッコミする時はガントレットは外しましょう‥
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます