第207話
地面に手をつき俺からオーガキングまでの地面の熱を奪う。
するとオーガキングまでの地面が徐々に凍りつきオーガキングに辿り着くまでには大きな氷塊となる。
氷塊に驚きながらも剣を振るって破壊しようとするオーガキング。
しかし身体が、腕が思うように動かずに氷塊をまともに受けてしまう。
氷塊はオーガキングに多大なダメージを与えた後に氷片となりオーガキングの身体に纏わりつく。
「グ、グギギ‥」
オーガキングの身体はさらに熱を奪われ動くことすら困難になっていく。
俺はエンチャント:火・風を重ね掛けする。
本当ならエンチャント:雷を重ね掛けしたいところたが、まだ氷と雷を同時発動はできていない。
スキルレベルの所為なのか、魔力量の問題かわからないが、0.5秒程度なら同時発動できるのでそのうちできるようになると信じたい。
できるといいなぁ‥
オーガキングに向かい走り出す。
周りのオーガたちがオーガキングを守ろうと動き出す。
走る俺にオーガが飛びかかってくるが、アキーエがそのオーガを殴り倒す。
逆側のオーガはミミウがシールドバッシュで押し戻す。
ご丁寧にトゲトゲついてた。
守るものがいなくなったオーガキングは身体を無理矢理動かして俺を止めようとする。
オーガキングは剣を上段から振り下ろす。
しかし最初のようなスピードもなく、俺は少し横に身体を動かして剣を避ける。
エンチャント:氷を解く。
オーガキングの周りに付着している氷片は消えてしまうが奪った熱はすぐに戻らない。
動きが緩慢になっているオーガキングに対して俺はエンチャント:雷を発動する。
身体の周りを覆っている膜に小さな幾つもの雷が走る。
「悪いが、お前たちの進軍はここまでだ。『斬速乱剣』」
幾重にも走る剣撃が、オーガキングを襲う。
先程までとは違い、速さと力を掛け合わせた技にオーガキングの肉体も剣を弾く事ができない。
型として前もって決めている斬撃をその通りに放つ。
型としては50を超える斬撃を予め決めている。
俺は30を超える斬撃を放った後に斬撃を止める。
熱を奪われたオーガキングは通常とは違い、それ程血を流す事なくゆっくりと倒れていった‥
ふむ。
アキーエとミミウのフォローがあったから、それほど苦戦する事なく倒す事ができたな。
俺は振り返りアキーエとミミウを見る。
2人は笑顔で俺を迎えてくれる。
しかし周りが静かだな。
周りを見渡すと冒険者たちが固まっている。
ん?
まだまさか他にもオーガキングがいるのか?
それともオーガキングが死んでなかったのか?
俺は慌ててオーガキングに向き直るが、オーガキングは動いていない‥
サブマスターの方を見るとサブマスターも固まっていた。
するとサブマスターが急に動き出した。
ゼンマイ式か。
「オ、オーガキング討伐!オーガキング討伐!最大の脅威はなくなった!冒険者達は残りのオーガを討伐せよ!」
「「おーっ!」」
「すげーっ!」
「何だアイツは?Sランク並に強いじゃないか!」
周りに急に音が戻った。
歓喜して士気が上がった冒険者たちは残っているオーガの討伐を始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます