第192話

「わかった。準備してギルドに行けばいいか?」


「よかった。ありがとう!他の冒険者もギルドに集まってるからギルドで大丈夫よ。この件はギルドマスターに伝えておくから!」


「了解した。それとイザベラさんがギルドマスターだって知ってるから、下手な芝居しなくていいぞ。」


言ってやったぜ!


イザベラは驚いた顔をしてこちらを見ている。

ふふふ。この顔を見るとしてやったりって気持ちになるな。


「いつから気づいてたの?」


「弟?のモラさんから聞いたよ。まあその辺の経緯は今回の騒動が終わってから聞かせてもらうよ。」


大体ギルドで受付している職員が闘技会へのギルド推薦枠の話なんてするわけないもんな。


「わかったわ。大した理由じゃないんだけどね。それじゃあ緊急依頼『オーガキング討伐』お願いするわね。」


他にも行くところがあるのか、イザベラは急いだ様子で家を出て行った。


「勝手に依頼受けたけどよかった?」


目がキラキラしていたのを見てしまったから答えはわかっているけど一応聞いてみる。


「何言ってるのマルコイ!街の人が困ってるのに助けないなんて選択肢はないわっ!」


顔がニヤニヤしてなかったらいいセリフなんだけどね‥


「わーい。新しく考えた戦法とか試せるですぅ!」


ミミウはもう少し遠回しに言わないとね‥

直球過ぎます‥


「わかった。それじゃギルドに集合みたいだから準備しよう。あとあんまり思い出したくない記憶だけど、王都のモンスターの氾濫の時に死にかけたよな。だから2人とも絶対に油断しないように。」


「わかったわ。」「わかったですぅ。」


準備を始めたところにキリーエが戻ってきた。

朝から味噌と醤油の件で駆け回ってて外に出てたもんな。


「みんなオーガの群れが街に迫ってきてるらし‥‥なんだ。話来てたみたいやね。」


「ああ。さっきギルドマスターが声をかけにきた。オーガキングを狙えるなら狙っていいそうだ。ずいぶんと期待されてるようだ。」


「そうなん?まあそれだけ闘技会での闘いが評価されてるんやね。でもそっか、3人が討伐に参加するんだから避難しなくてもいいんやね。そしたらうちの仕事は皆んなが帰ってきた後のパーティーの準備をしとけばいいんやね。」


「はは。ありがとう。でも他の冒険者と協力してから倒すようにするよ。相手はオーガキングだし、決して油断しちゃいけない相手だからな。でも終わった後にミミウのお腹がぺこぺこになってるのは確かだから、ご飯の準備はしててもらった方がいいかもな。」


「わかった。みんな絶対怪我とかせんで戻ってきてな。戦いではなんもできんけど、帰ってきたらゆっくりできるよう準備しとくから!」


「おう。いつもありがとな。それじゃ行ってくるよ。」


アキーエはガントレット、ミミウはタワーシールド、俺はダマスカス剣を持ち準備が整ったのでキリーエに声をかける。


「マルコイさん。一応回復薬とか準備してるから、このバッグも持って行ってな。」


中身を見るとかなり高級な回復薬がたっぷりと入っている。

本当にいつもキリーエには助けられている。


「ありがとうな。じゃあ行ってくる。」


俺たちはギルドに向かい歩き出した。

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