第178話

闘技会の次の日程は1週間後と言う事だった。


本戦の試合が進むにつれて負傷する人が増えるので少し時間をあけるのだそうだ。


俺の傷もかなり回復したため、俺たちは宿に戻る事にした。



宿に戻り俺の部屋で家についての話をするために集まってもらう。


「はい!緊急作戦会議ー!」


「「いえーっ!」」


「‥‥‥いえー。」


ふむ。

アキーエもようやく出来る子になってきたな。


「本日、いきなり王様から家をもらう事になりました。俺は裏がありそうで怖くてしょうがありません。このままみんなで逃げ出したいところですが、皆さんの意見をお聞かせください!」


「はーい!」


「はい、ミミウさん。」


「裏ってどんな事がありそうなんですか?」


「ミミウさん、いいところに気がつきました。裏っていうのは私が想像するには飼い殺しになって剣ばかり作らされたりとか騎士団に入れられるとか想像しています!」


「なるほど!それは嫌ですぅ!」


ですよね。

俺もそれは避けたいので、やはり国外逃亡するべきかな?


「待って待って。」


「はい、アキーエさん。」


「マルコイ考え過ぎだって。多分王様はマルコイが鍛治士としても優秀で個人やパーティとしても力を持っているから、できればこの国に住んでもらいたいって思ってるだけと思うわよ。」


「うちもそう思うわ。多分他の国もそう思うんやない?だって‥」


「キリーエさん。発言は挙手してからしてください。」


「あ、すいませんでした。」


「はい!」


「はいキリーエさん。」


「はい。うちもそう思うわ。多分他の国もそう思うんやない?だってマルコイさんSランクに勝ったんやで。ランクはBランクかもしれないけど、実力としてはSランクってことやもん。高い実力を持った冒険者はどこも取り込もうって必死やから。あと数日したら他の国からも接触してくるんじゃないかな?」


「でも冒険者なんてどこ行くかわからないのに家とかやるか?俺だったら‥」


「マルコイさん発言は挙手してするですぅ!」


「あ、すいませんミミウさん。」


「はい!」


「はい、マルコイさん。」


「冒険者なんてどこ行くかわからない人たちに家やっても住まないんじゃない?基本根無草なんだからやるだけ無駄な気がするんだけど?」


「はい!」


「はい、アキーエさん。」


「根無草だっていつまでもどこかの国をうろうろするわけじゃないでしょ。帰ってくる家があれば戻ってくるし、士官目的の冒険者もいるだろうし。実力がある冒険者はそれだけ大事にされるってこと。そんな冒険者にマルコイがなったって事よ。」


なるほど‥

そんなに凄い事になってたんだな。

今更実感してきた‥


「よし!会議終了!それでは家はありがたくもらうという事で!」


「「「はーい!」」」


あける事が多くなると思うけど、自分の家があるって事は嬉しいかもな。


みんな喜んでくれてるみたいだからありがたく頂くとしよう。


しかし他の国からの接触ね。

ほんとにそんな事があるのかな?





なんて思っている日もありました‥

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