閉じる
表示設定
目次
第172話
おいおい。
なんて量の魔力を練り込んでるんだ？
流石Sランク。
思ってた以上だな。
練り上げた魔力を使いロメントは精霊魔法を使う。
「『荒ぶる水の精霊よ。僕の矛となり敵を穿て！水竜顕現！』」
ロメントが精霊を顕現する。
するとロメントの側に水を象った竜が現れる。
すごいな。
こんな物を出す事ができるなんて‥
そう思いロメントを見ると、ロメントは続けて魔力を練り込んでいた。
なんだと？
まだ精霊を顕現させるつもりなのか？
「『不動たる水の精霊よ。僕の盾となり敵から守れ！水巨人顕現！』」
水竜が現れた逆側に、今度は水の巨人が現れる。
「これが僕の本気だよ。殺すつもりはなかっけど、残念だけどもう手加減はできない。この2匹は細かい制御は出来ないから。もし死んでしまったらこれからの旅を君の遺品と共に歩み、一生愛でる事を誓おう。」
だから気持ち悪いっての。
しかし壮観だな。
これ程力を持った精霊を見ることなんて滅多にないだろう。
しかもそれが2匹とは。
やばい。
手が身体が震えてくる。
怖さではなく嬉しさから‥
「それじゃ行くよ！」
ロメントの合図と共に水竜が此方に迫ってくる。
圧力が水蛇とは桁違いだ。
飛び込んできた水竜を躱し斬りつける。
硬い‥
剣が弾かれた。
エンチャントを爆炎にすれば斬れると思う。
魔力に余裕ができた今はエンチャント:爆炎も多少は長い時間使えるが‥
右に気配を感じ、上半身を後ろに逸らして後ろに下がる。
目の前を水竜の尻尾が通り過ぎていった。
体勢を整えようとすると更に気配を感じる。
首の後ろがチリチリする。
横に飛び退きながら振り向くとロメントが細剣で突きを放っていた。
体勢を低くし転がるような状態で躱しながら前方に進む。
すれ違い様にロメントを斬りつける。
しかしロメントの側に待機していた水巨人が俺の剣を受け止める。
そのまま前方に転がった後に振り向き体勢を整える。
ロメントを確認すると、側には2体の精霊が寄り添うように控えている。
これは凄いな‥
俺はエンチャント:風を使いロメントに突っ込む。
ロメントに向かい斬りつけようとするが、すぐに水巨人がロメントの前に立つ。
水巨人を斬るためにエンチャント:爆炎を一瞬使い斬りかかる。
しかし剣は水巨人の腕を斬る事はできたが、切断までは至らない。
やはり防御特化だけあって、水竜より硬い！
水巨人の腕を潜るようにロメントが前に出て細剣を振るう。
エンチャント:土で防御力を上げてから身体を捻り、細剣を肩で受けて軌道を逸らす。
肩に痛みが走るが気にせずロメントに斬りかかる。
ロメントに剣が当たると思った瞬間に横に気配を感じる。
すぐにスキル【堅牢】をかけて防御体勢をとる。
もの凄い衝撃が全身に走る。
横から現れた水竜の攻撃に吹き飛ばされ、地面を転がる。
スキル【堅牢】をかけていたお陰で、そこまでダメージを喰らいはしなかったが、水竜の攻撃は一撃でスキル【堅牢】を割りエンチャント:土の防御力すら
上回った‥
ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）
応援したユーザーはいません
応援する
アカウントをお持ちの方はログイン
カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
カクヨムに登録すると作者に思いを届けられます。ぜひ応援してください。
新規ユーザー登録（無料）
カクヨムに登録して、気になる小説の更新を逃さずチェック！
カクヨムに登録して、お気に入り作者の活動を追いかけよう！
応援すると応援コメントも書けます