闘技会本戦開催

第137話

闘技会本戦の当日。

俺たちは会場となっている場所に向かった。

街は朝から賑わっている。

街全体がお祭り騒ぎのようだ。


予選の時も賑わっていたが、その比ではない程のお祭り騒ぎになっている。


街道にはいくつもの出店が出ていて、『闘技会ポテト』やら『闘技会ホットケーキ』なんてのもある。


ん?

『闘技会ホットケーキ』ってキリーエが絡んでないか?

キリーエを見ると『闘技会ホットケーキ』の出店に行列が出来ているのを見てニヤニヤしている。

うん。

絡んでた。


闘技会会場に着くとトーナメント表が提示してあった。

よかった。

アキーエとは決勝、ミミウとは準決勝までいかないと当たらないみたいだな。

でも2人とも強いから、準決勝と決勝は俺たちのパーティで闘う事になるかもな。


2人の対戦相手は知らない人だが、俺の相手は良く知ってる人だ。


冒険者Aランクパーティ『戦神の矛』のリーダーであるバラックスさんだ。

あの時の負けの借りを返せるかな。


この組み合わせを見る限りBランクの相手は全員S〜Aランクのようだ。

予選を突破した者同士の組み合わせは一組もない。

出場者は全部で16名か。

4回勝てば優勝だな。

Sランク?Aランク?

全部まとめて倒してやるぜ。



特にあのエルフ!



「やあマルコイ君。久しぶりね。」


声のした方に振り向くと、アマンダさんがいた。


「どうもアマンダさん。お久しぶりです。」


「久しぶりに会ったけど、雰囲気がだいぶ変わって来たね。強くなったみたいだし何か大人っぽくなった感じがするよ。本当にどうだい?お姉さんたちと一緒のパーティに入らないかい?」


アマンダさんは俺の顔を見ながら笑顔で言ってきた。

アマンダさんのパーティは3人とも綺麗な人だったから悪い気はしない‥あたたたた!

アキーエに尻をつねられた。


「すいません。俺には大事なパーティメンバーがいるので。」


「はは。振られてしまったか。ずいぶんと鼻の下が伸びてたけど、彼女さんが怖かったかな?」


いてていてて。

アキーエさん断ったから許してください。



「しかし組み合わせを見たが残念だったよ。あのガルヘアってのをぶっ飛ばしてアムテルの仇をとりたかったんだがね。」



闘技会予選でアムテルさんを一方的に打ちのめした男ガルヘア。

彼はあの予選の後この街から姿を消していたようだ。

冒険者ギルドに寄った時に少し話を聞いたが、彼は違う街からやってきて闘技会に出場登録して予選が終わったら街を出て行ったようだとイザベラさんに聞いた。

闘技会参加目的だけでこの街に来る人はいるが、本戦に出場が決まった人はそのまま街にいる人が多いから珍しかったようだ。


確かに彼は強かったが、本戦に出場する人は全員が強い。

彼とアマンダさんが本戦で戦う確率は低いのではないだろうか。


「私は優勝するつもりだけど、アイツは途中で負けそうだからな。負けた後に文句だけ言いにいくとするよ。」



アムテルさんは闘技会の回復士の腕がよかったのか、特に後遺症などなく回復している。

まだ本格的に冒険者活動はしていないみたいだが、問題はないようだ。


だからだろう予選の後のアマンダさんは彼を殺してしまいそうな勢いだったが、今は割と落ち着いている。

すると大会の人から呼び出しの声がかかる。


「闘技会に参加する参加者は闘技場の上に集まってください!」


さていよいよ本戦の開始だ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る