第127話

「それじゃ、出来上がったら連絡するわね。宿に伝えたらいいかしら?」


「そうね。そうしてくれると助かるわ。お代は前金で払っておくわね。もし足らなかったら出来上がった時に教えてもらったら追加で払うわね。」


アキーエがかなりの金貨を払っている。

あの金貨はどこから出ているのだろうか‥

俺は変わらずお金ないんだけどな‥


帰る準備をしているとモラさんが近くに寄ってきた。


「マルコイさん。もしアキーエちゃんにプレゼントとかする機会があったら、お店に来てね。結構際どい下着とかも私作ってるから。安くするわよ。」


「はいっ!すぐにでもやってこさせてもらいます!」


そんなに素晴らしい品を作ってあるとは思いませんでした。

プレゼントをする機会を無理にでも作って伺いたいと思います!


「な〜に?何の話?」


「アキーエちゃんには関係ありそうでない男同士の話よ。」


「??」


モラさんに男同士の話って言われると違和感ありまくりだけど、いい話を聞かせてもらったので良しとする。








登城の日となった。


俺はモラさんのお店で買った服に袖を通す。

ちなみにモラさんの言っていた商品は次の日にこっそり買いに行きました。


準備が整ったので宿の外に出て待つ。

しばらくすると城から迎えの馬車が来た。


馬車から執事の人が降りて来た。


「マルコイ様とキリーエ様。馬車にお乗りください。」


俺とキリーエは馬車に乗り込んだ。

キリーエはあらかじめ準備していたのか、青色のワンピースを着ている。

キリーエの淡い青色のショートカットが映えてとても可愛く見える。

胸は残念だけど、それはそれである。


「ふふん。どうしたんマルコイさん。うちの美貌にやられたんやろ?」


うん。可愛い可愛い。


「なんなんその暖かい目は!」


うんうん。

キャンキャン言ってる姿も可愛いぞ。


キリーエとそんな話をしていると馬車が止まった。

執事の人が馬車のドアを開ける。


さてさてどんなお偉いさんが出てくるかな?

たとえ誰であろうともキナ臭い話であれば仲間を守るために全力で戦うぞ。











「お前が持ってる剣とワシのミスリルソードを取り替えよう!この国の宝刀だぞ?」


「すいません。お断りします。」


「な、なぜだ!全ミスリル製だぞ。お前の剣と比べても遜色ない、この国で王が代々引き継ぐ剣だぞ?」


「そんなの余計にいりません。」


「なっ!」


俺の前にはガックリと項垂れる獣族の男がいる。

虎の獣族だが、虎の因子を深く受け継いでいるようで、顔にも虎模様が入っている。

そんな虎族の、この国の王が王座の上で項垂れている。


横に仕えている人が王様に耳元でこそこそ話している。


「もしやミスリルの塊の方がいいのでは?だとしたらインゴットを準備させましょう。」


それはちょっと欲しいかも‥


いやいや、この剣をもう一度作れと言われても作れないと思う。

そのくらい奇跡の一本だと思っている。


「お断りします。」


すると2人して項垂れている‥


何故こうなった?


いや考えるまでもなく、最初からおかしかったんだと思う‥

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