闘技会開催
第100話
闘技会予選の当日。
予選に参加するBランク冒険者は多いため、5人程度が1度に闘技場に上がり勝ち抜き戦をするそうだ。
それでもBランクは30名以上参加するので、2日に分けて開催するらしい。
組分けを確認したところ、自分たちはイザベラさんが言っていた通りきちんと別れており初日にアキーエとミミウ、2日目に俺が参加となる。
本戦への参加は毎年S.Aランクの参加状況によって変わるそうだが、今年は7名が本戦に上がるそうだ。
「2人とも無理はするなよ。この魔道具の効果は一回限りだからペンダントの魔石が割れたら必ずギブアップする事。いいな。」
脳筋大国の大会だけあって故意に相手を殺すと失格になるが、それ以外は自己責任だ。
だから毎年何人かは亡くなっているらしい。
そのため俺はアキーエたちに装備品以外にもう一つ魔道具を渡している。
致命傷を受けた時に一度だけ身代わりになってくれるもので、身体に受けた一定以上の負荷のみ肩代わりしてくれる品物になる。
しかし一度しか効果はない上に、準備まで時間もなかったので二つしか作る事が出来なかった。
俺はエンチャント:水があるから何とかなるとおもっているが、アキーエたちは回復手段がないからな。
大会にはポーションや回復魔法を使える人が待機しているそうだが致命傷は防ぎようがない。
魔道具がバレたら大事になると思うが、2人が死んでしまう事の方が俺は嫌だ。
それ以外は些細な事でしかない。
まぁバレたら逃げるけどな。
「わかってるわ。無理はしないから心配しないで見ていて。」
「大丈夫ですぅ。マルコイさんから貰った装備で勝ち上がるですよ!」
自分の事ならいいが、2人の事となると気が気じゃなくなる。
「わかった、くれぐれも無理するなよ。」
「もう。朝から何回言うのよ。そんなにわたしもミミウも弱くないわよ。安心して見ていられるように快勝してあげるわ。」
確かに心配し過ぎか‥
2人とも同じBランク相手なら負ける事はないだろうな。
大会参加者も2人には度肝を抜かれると思う‥
「それじゃ行ってくるですぅ!」
最初はミミウの予選からだ。
力強く会場に歩いて行く小さな背中を見送った。
大会の会場は5人で戦っても充分過ぎる広さがある。
その5人の中にいるミミウは自分の装備の最終確認をしているようだ。
実はミミウにはタワーシールドを魔道具化して渡してある。
自分で作っときながら反則級の物だ。
こんな盾があったら面白いなとか考えながら作ったらとんでもない品物に仕上がった。
ミミウなら上手く使う事が出来るだろう。
「それでは獣人国闘技会予選第一回戦を開始する!」
閲覧席も含め会場内にいる全員に緊張が走る。
会場にいる5人はそれぞれ誰を相手にするか考えているのだろうか。
「それでは各自準備はいいか?それでは始めっ!」
さてさて、会場中がうちのミミウさんの強さに度肝を抜くことになるだろうな。
そして会場の中で戦いが始まった。
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