第62話

ドラゴンとの戦いが始まった。

高ランクパーティは最初の攻撃でドラゴンの翼を折る事ができたので、飛ぶ事が出来なくなったドラゴンと地上戦を行っている。

サポートに徹する為に少し離れた場所に待機している俺の所へアキーエが駆け寄ってきた。


「何とかなりそうね。」


「そうだな。しかし流石高ランクパーティの攻撃だな。最初の攻撃でかなりダメージを与えたっぽいな。特に火属性の魔法が凄かった。」


「え?あれ多分私の魔法よ。魔法放った人で火魔法使ったのわたしだけだったから。」


ん?

今戦っているドラゴンは火属性で、俗に言うレッドドラゴンと呼ばれるドラゴンだ。

属性魔法:火に関してはあまり効かないと思っていたが、先程の一斉攻撃でかなり大きな火の玉がドラゴンに当たり火魔法なのにダメージを与えていたので、単純にレッドドラゴンにダメージを与えるほどの威力だったのだと関心したのだが‥


「アキーエさん?また属性魔法のレベル上がりました?」


「そうね。時間がある時はギルドの練習場で魔法の訓練してるから。今はそこそこ高レベルになってるわよ。」


いつの間に‥

あの威力のフレンドリーファイア喰らったら、即死しそうな気がする。

戦闘前はアキーエと仲良くしておこう‥


ドラゴンに視線を向けると追い詰められてブレスを放とうとしていた。

あれ?この射線って俺たち被ってないか?

しかも射線に高ランクパーティの盾士がいないんですけど‥


「ブレスくるぞ!位置的に盾士がカバーできない!各自散開しろ!」


やばい!モロにくるぞ!


「任せてくださいですぅ!」


ミミウが俺とアキーエの前に立つ。

タワーシールドを地面に刺して、構えをとる。

ミミウの後ろに移動して衝撃に備える!

あれ?

衝撃がこない‥

炎の奔流だけが通り過ぎて行くような感覚だった。


「もう大丈夫ですぅ。」


うん。

やっぱりうちの盾士さんは優秀だなぁ。

俺がスキルの研鑽やら鍛治なんかで時間使ってる時に、ずっと訓練してたみたいだからな。

ブレスを耐えた後周りを見ると何人か驚いた顔している。

まさか無傷とは思わなかったのか、傷薬を用意してこちらに向かおうとして固まってる人もいるようだ。

その人たちに軽く手を振り戦況の確認をすると、攻撃隊の優位に進んでいるようだった。


盾士はパーティに攻撃がいかないように、上手く鉤爪と尻尾の攻撃を防いでいる。

そして隙を見てバラックスさんや、『獅子の立髪』の人達が攻撃を加えている。

しかし『獅子の立髪』の人たちすごいな。全員が前衛だけあってすごい連携だ。

大剣使いが攻撃し怯ませて、ショートスピアと片手斧で攻撃している。

三位一体って感じだな。

特に大剣持ってるアマンダさんが凄い。あの大きさの剣を振り回しているのにスピードが早い。


ドラゴンもかなりのダメージを受けていて満身創痍だな。

油断はできる相手ではないが、問題なく討伐する事ができそうだ。

それじゃちょっと高ランク冒険者のスキルを確認しよう‥

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