第50話
「よしっ!鍛治ギルドに行こう!」
冒険者ギルドから引き摺り出されて、1時間くらい経った後にマルコイが言い出した。
「あれ?ここはどこだ?」
「ここは冒険者ギルドの近くにあるレストランで、あんたが復活するまで皆んなでお茶してたのよ。」
テーブルに3人分の紅茶が置いてある。
キリーエが変わった生き物を見るような目でこちらを見ている。
「マルコイさんて残念な人やったんやね‥こらアキーエちゃんも苦労するわ‥」
何故そこでアキーエが出てくるのかわからんが、今は置いておく。
「そんな事はどうでもいいっ!目指すは鍛治ギルドだっ!」
何か冒険者ギルドで衝撃的な事があったような気がするが、思い出せないのでいいとしよう。
冒険者ギルドからそう離れていない所に鍛治ギルドはあった。
付近には武器防具を取り扱っている店が多数あるようで、鍛治ギルドの周りは冒険者の他に鍛治に長けているドワーフがちらほら見かけられた。
「頼もーうっ!」
鍛治ギルドに入り周囲を見渡す。ギルドの受付嬢やギルドに用事があるのかドワーフが数人いる。
「ねえ。マルコイさんちょっとテンションがおかしいんだけど?」
「多分冒険者ギルドでの出来事がよっぽどショックだったんじゃない?まあそのうち戻るでしょ。」
後ろでアキーエとキリーエがコソコソと話をしている。
「はい。鍛治ギルドへようこそ。今日はどのようなご用件でしょうか?」
あ‥スキルを模倣する事しか考えてなくて、どうするか決めてなかった‥
焦って仲間を見る。
キリーエが多少呆れたような顔でカウンター前に来てくれた。
「私達は今日ロッタスに着いた冒険者なんですけど、旅の途中で装備品にガタがきたみたいなんです。それで近くの店で装備品を購入する予定なんですけど、よかったらギルドに登録されてる職人の方の名前とスキルを教えてくれませんか?自分達が購入したい装備に適したスキルを持ってある方のお店で買いたいので。」
「承知致しました。こちらにまとめてありますので確認された後、お返し下さい。」
おお!さすが商人キリーエさん。
「こんな時にも【高速思考】は便利なのよ。」
なるほど。あれ?俺にも【思考】がなかったか?仕事してください【思考】さん‥
受付嬢から借りた資料を確認する。
ザーイス
スキル【鍛治】
アイレス
スキル【研師】
ヤックス
スキル【加工師】‥‥
なるほど‥
さすがに鍛治ギルドに登録している人たちだな。
様々なスキルがあるが、ほぼ全てが鍛治に適したスキルのようだ。
とりあえず俺が持っていて役に立ちそうなスキルを抜粋して店の確認を行う。
今日は【鍛治】と【装剣師】の2箇所を回るとしよう。
「この【鍛治】と【装剣師】のお店に伺いたいので場所を教えてもらっていいですか?」
「わかりました。」
店の場所を教えてもらい、もし目当ての物がなければ明日も来る事を伝えてギルドを出る。
さてさて久しぶりにスキルを模倣しに行きますか!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます