続 日常と刺激

保科早里

第1話

今日は休日


ずっと1人、家にこもっていても気が滅入るばかりなので、ちょっと買い物に出かけることにした。


マスクのおかげで、たいしてメイクしなくても出かけられるようになったのは数少ない利点か。


近くのデパートは思いの外、人が多い。


あんなに少人数で!と言われているのに家族で来ているのも結構いる。



家族、恋人同士、友人…その中で私だけ1人。


なんで?



またネガティブな思考におちいってしまった。

自分が嫌になる。



今は1人ぼっち。


友人達はとっとと結婚していき、その相手の地元や転勤に一緒についていってしまい私だけ取り残された。


すれ違う人の中には私より若いのに、子供を連れて幸せそうにしている夫婦もいる。


あぁ、うらやましい。


「あんたはその結婚している立場になったら、それはそれで文句言うよ」


と母親に言われた事あるが、隣の芝生は青く見えるものだ。



いざっていうときに、相談したり頼ったり出来る相手がいないのがこんなにも辛いとは思わなかった。


そろそろ本気で婚カツパーティーにでも行こうかな。


今のご時世、婚カツパーティーってやってるのか?


どっちにしろ自分をもっともっと磨かなくては!


私は気分を取り直し、化粧品コーナーへと向かう。


相変わらず刺激のない日常だけれども、少しは前向きになれるといいと思いながら。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

続 日常と刺激 保科早里 @kuronekosakiri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ