伝奇世界の悪役令嬢※90年代からきました
海老
小夜子と陰陽師
第1話 小夜子登場
関東某所の田舎町。
のどかな田園風景の広がる真昼の農村の
髑髏と彼岸花の柄が織り込まれた黒い反物で仕立てられた和装を着こんだ年若い女と、上品な老婦人が睨み合っている。
年若い女の背後には、学生服の少年が付き従っていた。
若い女は
一度死に、
老婦人は戦国時代から続く
観語一族とは日本国内の闇に
「お弦のお婆よ、わらわの配下となる話、返答は
小夜子の声は朗々と響き渡った。
「観語の地に一人でやって来てそのような言葉を吐きますか。退魔師共の間では大層な評判と聞き及んでおりますが、ここでは退魔師の威光も通じませんよ。帰られるなら、なかったことにしますが」
お弦は言ってから、口元に薄い笑みを刻んだ。
「ほほほほ。帰す気などないのによう言うたもの。もう仕掛けはすんだかえ、お婆殿。噂に名高い観語の鋼糸術、この身で味わうも一興じゃ」
「小娘、
小夜子が何か言おうとした瞬間、小夜子の右手首が落ちた。切断された手首が地に落ちる。
刹那、小夜子の全身に血の線が走り、肉体は七十二個の肉片に切断される。
これこそが恐るべき観語の鋼糸術。
処女の黒髪をより合わせて造る黒縄術と並び立つ外法忍術の秘奥であった。
「お嬢様っ」
従者らしき少年が叫ぶ。
「そこの子供。帰って退魔師共にこの顛末を伝えなさい。世が変わろうが、観語は貴様らの犬にはなりません」
お弦が
ほんの一秒足らず、お弦の全身に
「噂に名高い観語の鋼糸術、このようなものであったか。
お弦は振り返ることができなかった。
振り返れば、どのような恐ろしい光景があるか。それが、見ることで魂を砕かれるものと、肉体が本能的に察知している。
「確かに、七十二に刻んだはず」
冷や汗が額から顎へと滴り落ちる。
「ほほほ、ナノミクロンの糸に刻まれるというのは、それなりに痛いものであったわ。魂魄と肉を溶け合わしておれば、ほれ、多少の破損などこの通り」
お弦が振り返る前に、背後から抱きすくめるように回された小夜子の手が視界に飛び込んだ。傷一つない白い細腕。下品な髑髏の和装、その服までもが再生されている。
「【あちら側】より戻り、わらわは備えておるのよ。いつか、わらわの敵が来る。それはの、同じ糸を使うならば都市の全てを走るほど、どこにおっても魂魄すら切り刻む魔人じゃろう。他にもな、あらゆる傷を癒す魔界の医者がくるかもしれん」
お弦は恐怖で崩れ折れそうになった。
世界一の糸使いである自らをして、そのようなバケモノは聞いたことがない。しかし、小夜子の言葉であれば、それがでまかせでないと信じられる。
小夜子という化け物が恐れている存在がいる。
「わらわは、悪であるが故にいつか滅び去る宿命。それまでは、わらわの配下になっておくれ」
背後から抱きすくめられて、お弦は敗北を悟った。
観語一族の総力を挙げたとして、その身を切断されて瞬時に蘇る不死者をどうして倒せようか。
「観語一族の全て、今よりあなた様のものです」
小夜子は
「細かな話は、わらわの屋敷に来てからしようかの。今日のところはお弦殿も疲れたじゃろう。養生してから来らるるがよい」
小夜子の体温が離れて、気配が遠ざかっていく。
「行くぞ、若松。今日は蕎麦でも食いたい気分じゃ」
「お嬢様、天ぷら蕎麦の名店が近くにございやす。空席確認致しますんで、しばしお待ちを」
「ほほほ、流石は若松じゃ」
暢気なことを言いながら去っていく二人に、この顛末を陰で見ていた観語一族は手を出せなかった。お弦の配置した一流の暗殺者全てが、どうにもならぬと悟っていたからだ。
田園の魔戦が終わり、間宮小夜子の力はまたしても大きくなった。
恐るべき魔人、間宮小夜子とその従者である若松少年、彼らのいくところには人知の及ばぬ魔戦が繰り広げられるのであった。
間宮小夜子は、転生憑依者である。
1991年に死亡した後、黄泉の国でぼんやりと影になっていたところを、冥界の主である
気が付けば、未来の日本で間宮小夜子という小学生になっていたという塩梅である。
現世に戻される時に、一つだけ
悪として生きろ、と。
小夜子は前世では伝奇小説に詳しかった。
なるほど、死の世界である【あちら側】から未来へ移動させられて、父親は外道退魔師。
退魔師やら妖怪などが存在している異世界だ。
ここで悪を背負うというのなら、敵となるのは善ではないにしろ【新宿】の住人クラスであろう。
伝奇小説好きであり、菊地先生の糸使いが好きな女子であったこともあり、すんなりとそれを受けいれて、そのようにしている。
一度死んでいることも、【あちら側】から戻ったことでそれを疑うことはなかった。
目覚めてから分かったが、小学生の小夜子は動くこともできない肉塊の怪物であった。
剥き出しの筋肉と臓器の塊に、目と口がついているという有様だ。
父親である男は、どうやら小夜子とその母を実験台にして、異界から怪物を呼びよせる魔道を研究していたようだ。
伊邪那美様はこれに怒ったのだろう。それで小夜子を遣わしたのだろうな、と最初に思った。
なんにせよ、廃棄されたユッケの無念から生じた妖怪のような姿では、悪としても恰好がつかない。
【あちら側】から戻ったためか、霊力や妖力とでも呼ぶべき力を感知できるようになっていた小夜子は、肉塊の状態で瞑想を行うこと千日。
父親の実験で打たれる薬剤や秘薬の影響もあったものか、肉体を凌駕する精神を持つに至った。
超人への第一歩とは、肉体を凌駕する精神を持つことである。
精神の力で肉体の因子を操作する。
まずは見た目を人間にすること。それも、神が夜闇と月光をこねて作り上げたほどの美しさでなければならない。
伝奇世界の悪であるならば、圧倒的な美が必須条件だ。
地味な見た目で強い、というのは善の側でないと輝かない。
幸いなことに、この肉体は父親が気づいていないだけで、最高の素材だ。
異世界の、伝奇小説であれば【邪神】として描かれる存在の因子を受け継いだ超絶性能だが、間違った使い方で目と口のあるユッケになっている。
宝の持ち腐れとはこのことだ。
やりようによっては次元移動や宇宙空間での生存すら可能なこの肉体を、小夜子は操作した。
肉体を変性させて、繭を作る。
手っ取り早く変身もできたが、芋虫から蝶、いや、この場合は蛾の方がカッコイイ。蛾のように生まれ変わるというのは、実に悪っぽい誕生だ。
父親はその変化に狂喜した。
小夜子は冷めた気持ちで、こいつどうしてやろうか、と考えているなど思いもよらないだろう。
虫と同じ変態を経て、羽化を行って人間の肉体を手に入れた。
わざわざ満月の日を選んで、それらしさを添えるのも忘れない。
12歳に合わせた肉体は、予定の通りだ。人間の形をしているのに、人間味を一切において感じさせない異質さと、凄絶な美を兼ね備えている。
黒髪ストレートロング、スタイルはこれに決めた。
「おおお、その妖力、まさに」
狂喜する父親はマッドサイエンティスト的な小悪党そのもの。
「伊邪那美様に叱られるがよい」
父親は吐血して、何か言う前に倒れ伏した。
死ねと思念で命じてみただけだが、どうにも上手くいきすぎた。出力には調整が必要だろう。
生きている方が何かと便利なのだが、そんな小さいことを気にしては立派な悪と言えない。
とりあえずは小学生として生活する中で、この世のことを知らねばならない。
このようにして、小夜子は現世で悪となる第一歩を踏み出したのであった。
帰りに寄ろうとしていた蕎麦屋は、行列が出来ていたため入れなかった。
待つのも
「お嬢様、ここのサービスエリアはなかなかいけますよ。フードコートでホルモン焼きそばがありますんで」
若松少年は悪びれた様子も無くそう言った。
「ほほほ、言われてみれば焼きそばも悪くないの。しかし、蕎麦を覆すのも業腹というもの。にしん蕎麦と稲荷寿司も一緒に注文しておくれ」
「へい、券売機で買ってきやす」
「ならば、わらわはそこで席でも取ろうかの」
そういうことになり、小夜子はフードコートの二人用席に腰を落ち着けた。
和装の女子は目立つ。
周りから見られているが、これもまた美しさのなせること。気にした素振りもない。
若松少年はしばらくしてトレイに料理をのせて戻ってきた。
券売機のシステムは90年代と変わっていないというのが奇妙だ。
スマートフォンでなんでもできる世の中というものには、小夜子も大変驚かされた。手の平に収まるコンピューターなど、SFの世界である。
「ほう、なかなか良さそうじゃ。では、いただきます」
「いただきます」
まずは、にしん蕎麦から。
普通。
何もかも普通だが、サービスエリアの味がする。異世界とはいえ、味は変わらぬ。小夜子は満足した。
サービスエリアというのはこういうもので良い。熱々で旅の味がすることが肝要である。
上品に素早く、綺麗に食べる。完食に要するその時間、なんと130秒。
次に三個入りの稲荷寿司を一つ。普通の味で、サービスエリアの味がする。なかなか良い。
「流石はお嬢様。気持ちのいい食いっぷり」
「これ若松、食べる時は集中させんか」
「へへ、感心しちまってつい」
最後にホルモン焼きそば。
予想の範囲内ではあるが、普通に美味しい。
ソースが甘すぎて、一部にちぐはぐな感じはあるものの、特に文句を言うほどではない。悪くは無いが、もっとよくできる気がする。
調味料を使うのは美学に反するため、味の変化はさせず完食。
箸休めとして、とっておいた稲荷寿司を食べ終えて、ふうと息をついた。
「悪くはないのじゃが、まだまだ進化の余地がある味であった。ホルモンはもう少し辛く味つけてある方が好みじゃの」
「んんん、俺には美味いっスけどねえ」
「ほほほ、若松は食べ盛りの男子であるからよ」
若松も良い食いっぷりで食べ終えて、水を一口。
腹もくちくなったところで、小夜子が口を開く。
「それはそうと、サービスエリアといえばアレが欲しいのう」
若松がぽんと手を打った。
「アレですか。早速探してきやす」
「大儀である」
若松が席をたって外に小走りで走っていく。
小学生の時に拾ってやってから、若松の下男ぶりは見事の一言。やはり、悪というからにはああいう者もおらねばならない。
「あの、すみません。一緒に写真いいですか」
と、声をかけてきたのは、小夜子と同じくらいの
「ほほほ、良いぞ。SNSにでもあげるとよい」
その語り口に驚いたようだが、少女はすぐに喜んだ。
スマートフォンで撮影した後に、隣に座って二人で自撮りをした。
「撮ってからでヘンなんですけど、なんのコスなんですか?」
髑髏と彼岸花の和装である。そう思うのも仕方ない。
「コス? ああ、わらわの私服じゃ」
「え、私服って、エモいんですけど」
「ほほほ、若者の言葉は不思議じゃな」
そう話していると、若松が戻って来る。
「お嬢様、買ってきやしたよ。お好み焼き味の揚げカマボコです」
サービスエリア名物として定着した、串に刺して揚げたカマボコである。イカや紅ショウガ、お好み焼き風と味は様々だが、小夜子はお好み焼き味が好みであった。
「おお、やはり若松は分かっておるな。タコ焼きなぞ買うてきたら食わぬところじゃ」
「お褒めに与かり恐縮でやす。おや、そちらのお嬢さんは?」
「ああ、写真を求められたんじゃ」
「お嬢様、断られてもいいってのに。しかし、その大物ぶり、流石です」
「褒めても何も出んぞ。では、熱いうちに食らおうぞ」
揚げカマボコ。
油の回った感と、熱すぎるきらいはある。しかし、これがサービスエリアの味。小夜子は満足した。小旅行とは、こういうものが良い。
「あの、お食事シーンもいいですか!?」
「はしたないが、まあ良い。好きにいたせ」
「ありがとうございます!」
それから、三人一緒に画像を撮影して別れることとなった。
周囲から注目を集めていたが、小夜子は気に留めた様子も無い。他に写真を求める人たちにも気さくに応じている。
妙なイベントのようなった後で、サービスエリアを出ることになった。
「写真ありがとうございます」
別れ際に、少女が礼を言う。
「減るものでも無いしの。気にせんでもよい。では、さらばである」
移動は若松少年の運転するバイクだ。サイドカーを取りつけてあり、小夜子はサイドカーである。
18歳になれば免許をとって車に切り替えるつもりだ。
さて、この写真を撮った少女、
不思議な出会いからは、良い気分のままで新居初日を迎えた。
両親の離婚で、母の実家に住むことになったという経緯だ。
祖父母は他界しており、処分前の家だったが母娘二人で住むにはこれ幸いと移り住むこととなった。
母娘二人で使うには充分な広さの古い住宅である。しかし、どうにも暗い家だった。
日当たりが悪い訳でもないのに、どこか薄暗くて、カビ臭さもあり廃墟じみた雰囲気がある。
努めて気にしないよう、張り切って家財の整理や掃除をしたせいか、いやに疲れている。
気分を上げていこうと母の前では明るくしていたが、流石に寝る前には気分も曇った。
昭和時代の建売住宅はさすがに古いし、母が少女時代に暮らしていたとはいえ、折り合いの悪かった祖父母の生活が染み付いた家だ。
どんな事情があったかまでは知らされていないが、朱音の母は家出同然に家を出た。
ここに戻ることも、本当は嫌だったはずだ。
ベッドに転がって、朱音はため息をついてスマートフォンの画面を見た。
SNSには、友達からの頑張れなんて言葉。
学校も違って離れてしまったら、連絡が来なくなることは分かっている。今だけのものでしかない。
メッセージを閉じて、待ち受け画面に今日出会った少女との写真を設定した。
「ヘンだけど、すごくキレイだったな」
女の子は小夜子お嬢様と呼ばれていて、男の子は若松という名前だった。なんだか、楽しそうな二人だったから、思い出すと朱音にも笑みが浮く。
厭なことは忘れたい。
「ヤだな」
父は幼いころから家にはあまり戻らない人だった。
どこかよそよそしくて、普通の親子という関係ではなかったから、離婚で離れたということについてはなんとも思わない。
そう思っていたけれど、朱音自身は意外にもショックを受けていたのかもしれない。
寝てしまおう。
目を瞑ってみた朱音だが、古い家の匂いがどうにも違和感があって寝づらい。
家が鳴る。
ギシ、ミシという家鳴りだ。
母は居間で寝ている。この部屋は、元々は母の部屋だったとか。
昔のことを思い出すから、と言って母は居間を選んだ。
祖父母は良い人ではなかったらしい。少し気になったが、それを聞いても母を傷つけるだけだと思うから、何も言ってない。
そんなことを考えるうち、気が付いた時には眠っていたようだ。
ふと何か音がして、目が覚めた。
母だろうか、誰かの話し声がしている。
なんだろう。こんな深夜に。
『本当に、……どう…て、……できそこないの……』
『……こときかせたらいい』
男女の声。
多分、大人だ。両親くらいの年齢の。
声を出してはいけない気がして、息を潜める。
少しずつ音が聞き取れるようになった。
『あのガキ、親に逆らって』
『出来損ないの畜生腹だよ』
何を言っている?
朱音は困惑していると、別の声が聞こえてきた。
「うう、ううううう」
母の声だ。どうやら魘されているらしい。
どうしようか迷っている間にも、妙な声は続いている。
『畜生腹の娘だから』
『家から出すべきじゃなかった』
理屈ではない。どうしてか、朱音にはそれが母を責めるものであると分かった。
誰かがいるなら警察を呼ばないといけない。スマートフォンをもって、ベッドから這い出る。
いつでも番号を押せるようにしてから、部屋を出た。
居間には母が布団をしいて横になっているだけで、話声の者は見当たらない。母はひどくうなされている。
「お母さん、大丈夫、ねえ、一回起きて」
「うう、ああああ、ごめんなさい、ごめんなさい」
母はひどい魘されようで、ゆすっても起きる様子がない。
どうしようと思った時、急に右の耳に痛みが走った。針で耳の奥を刺されたような、瞬間的ではあるがそんな痛みだ。
「いたっ、なに」
背後に気配。
人影があった。それは、人と呼ぶには輪郭が曖昧で、陰が立っているような、そんな不確かなものだが、確かに人の形をしている。
人影が近づいてくる。
あ、ダメだ。
あれは生きてるものじゃない。
逃げようとするも、身体が硬直している。手からはスマートフォンを取り落としていた。
「こないで」
あれは、きっと祖父母だ。
母を苦しめに、今度は朱音をも苦しめに、ここで待っていた。どうしてか、朱音にはそれが分かる。
ピロリン。
スマートフォンからメッセージを受信する音が響いた。場違いなそれに、朱音も、陰も、反射的に光を灯す液晶画面を注視していた。
『姿写しとはいえ、わらわを前にしての
声は、確かにサービスエリアで出会った少女、小夜子ちゃんのものだ。
二つの陰が悲鳴を上げた。
まるで、見えない手に握りつぶされるようにして、陰は形を崩していき、やがて消えた。
ほんの一瞬のことで、朱音は唖然としたまましばらく立ち尽くしていた。
我に返って母をみやれば、安らかな寝息をたてている。
「え、なんで」
スマートフォンを開くと、待ち受けには少女たちとの写真があるだけで、新着メッセージも無い。
「え、なに、なんで、夢?」
部屋を、いや、家を包んでいた陰鬱な空気まで消えていた。
なんだか、別の家じゃないかと思うくらいに、違う。
訳が分からないまま、朱音はもう一度スマートフォンの画面を見た。
「あっ」
画像の小夜子がウインクをして笑んでみせたのだ。しかし、見直した時には元の画像のまま。
すっかり目の冴えた今、見間違いであるはずがない。
「えええ、なんでぇ」
あまりにも不思議なことで混乱していたが、翌日になって考えを整理しても、小夜子の画像が助けてくれたとしか考えられなかった。
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