辞職事変③

前回のあらすじ

特級呪霊3体を相手に何とか勝ったゴールドシップ。

しかし・・・




「そりゃあ呪霊が居るんだからアンタも出て来るか・・・」


目の前の敵を見るゴールドシップ。


「なぁ五条悟!!」

「話が早くて助かるよ、 行くよ領域展開」

「赤駒 厩立 黒駒 厩立而 彼乎飼 吾徃如 思妻

心乗而 高山 峯之手折丹 射目立 十六待如 床敷而 吾待君 犬莫吠行年」

「無量空処」

「流出(アティルト)!!

黄金船可憐競争ウマ娘(ゴールドシップ・プリティダービー)!!」


ここで両者の技量の差異を説明しよう。

領域展開とは術式の最終段階であり呪術戦の極致。

これを習得し自在に使いこなせる者はごく限られている。

術式を付与した生得領域を呪力で周囲に構築する

つまり自分が心の中で思い描く世界を結界の中に現実に創り出す技。

発動する際は指で印を組む動作を必要とする。


対して流出とは聖遺物を行使するエイヴィヒカイトの最終位階。

創造位階において術者の渇望をもとに具現された“異界”と法則が

永続的かつ全宇宙に流れ出す。

流れ出した法則は最終的に全宇宙を覆いつくし

既存の世界法則を一掃して新たな世界法則と化す。


双方新たな世界を作り出す技であり、 ほぼ互角である。

だがしかし・・・


「くっ・・・やはり無下限呪術と六眼・・・不味い・・・負ける!!」

「・・・・・・・・・・」


五条悟に分が有る

しかし五条が全力で行使して勝ちの目が見えるレベル。

予断を許さない状況である。


「五条・・・何でだ!? 何で裏切った!?」

「・・・・・」

「私達・・・仲間じゃねぇのかよ!!」


叫ぶゴールドシップ。

確かに五条は今までゴールドシップ達を助け導いて来た。

それなのに何故?


「ゴールドシップ、 僕達はこの世界を如何にかしなきゃならないんだ」

「何だと!?」

「この世界の基本原則・・・それは何だと思う?」

「・・・・・・・・・・ま、 まさか・・・」

「そう、 トレーナーの辞職さ

僕は六眼で世界が可笑しくなっている事を察した

僕は呪力で世界を改竄して元の世界に戻そうとした

結果としてマフティー・エリン(偽物)が

君達の仲間になると言う世界線が確立された

何でそうなったかは分からないが・・・」

「そんな馬鹿な事が!!」

「良いか、 トレーナーの辞職は既に決められた結果なんだ

それを覆していけないんだ

君達が辞職を阻止するから巨大なループになっている

だから北斗神拳やらエイヴィヒカイトやらマフティー・エリンが出て来るんだ」

「そんな・・・そんな事が・・・」

「・・・・・如何やらトレーナーは辞表を渡す事を失敗した様だ」


領域を閉じた五条。


「良いか、 ゴールドシップ、 辞表を提出させて辞職させるんだ

そうじゃないとこの世界線が乱れた世界は前に進まない」

「・・・・・」

「そろそろこの世界線も収束する、 さらばだ」

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