ZEN-GOの
@ponpontan
第1話 雨の炎
ドタドタドタドタ… 馬が駆ける音
シュッシュッシュッ…弓矢を放ってる音
うぉーりゃー!フン! ぐわぁぁぁ〜…
兵たちが奮戦してる…音
ザァーザァーピチピチピチ 雨水の音…
その日は、大雨だった。すでに辺りも暗く見通しが悪い中
織田軍の渦中にいた俺は、いつものように大声をあげ味方兵と自分自身を鼓舞しながら、進軍していた。
(オラオラ〜俺が織田家を守る一本の槍
槍の又左だ〜、俺がいる限り進めねぇー場所はねぇー みんなついてこーい)
味方兵 (おおー!今日も又左様が派手に進軍なさるおつもりだ〜、我らも続くぞー!)
又左の一声で、周りの兵達に勢いが付く
又左の槍は、大きな刃がついており空気を裂く重量級武器で普通の人には扱えない代物。又左の叔父御にあたる柴田勝家から授かった槍である。
そんな重量級の武器を軽々と振るっている又左の力強さは周囲に、恐れられ闘気を感じる事ができる。
それは、味方にとってはとても心強い鼓舞になる。
ブオーンブオーン!
遠くから、鈍い笛の音が聞こえた。
(ん!あの音は?)
(伝令〜伝令〜、明智光秀謀反!)
伝令約の兵が、皆に伝え回る
(どういうことだ!光秀が?そんな馬鹿な!
おい!それは確かなのか?)
又左が動揺する。
(はい、確かで御座います。すでに向こうの本殿で…ハッ!)
伝令兵は言葉を失った。
又左もそれに気がついた。
本殿のほうが赤く染まっていた。信長様は大丈夫なのか?あれを光秀がやったのか?
そんな事をぐるぐる考えてる内に、身体が勝手に動いた!
(又左様!お一人では危険でございます。
今は、どう動くか思慮せねば)
兵達が、又左に訴える。
冷静さを欠きながらも、考える又左。
(まずは、俺が馬で駆けて突っ込む、その後をお前達はつけてきてくれ!
途中にいる、敵兵はすべて無視ししろ!一刻も早く
信長様の所まで駆けるぞ!)
又左は、思い切り槍と馬の手綱を握った。
(はぁー!)
馬で駆けた又左、そこから本殿があるところまではまだ、数キロはある。
雨は、ことごとくひどくなるいっぽうで、雷鳴も不吉な予感しかしない、それでも駆けずにはいられない又左。せめてこの雨で本殿の火が消えることを願うのであった。
(光秀〜なんでだ!クソぉーあんなに信長様を慕っていたはずなのに!俺だってアイツの存在がすげー頼もしかったのに〜、志は一緒じゃなかったのかよー! クソ!待ってろよ〜まだ生きててくれ〜)
又左の心中は、乱れながらも突き進むしかなかった。
山中を雨の中駆け回りながらも、刻一刻と時間は過ぎてるはずなのに目的の場所にたどり着く気がしれなかった。
(ヒヒーン、ズズズズズ〜!)
(どうした? ん?これは倒木!けどみょうだな!
自然に倒れたという感じではなさそうだぞ)
行く手には、人為的に用意された感じの木々が倒れていた。
(シュッ!)
(ヒィーン!)
(ぐわ!ドサッ!っー痛てー!)
倒木で、立往生してるその刹那
何者かによって馬に何かが刺さり、又左は落馬してしまった。馬もビックリして又左を置き去りにして走り去ってしまった。
(何者だー?出て来いー!チクショー時間無いってのにー)
又左は槍を構え、周囲を見渡した。
(ミツヒデサマの…邪魔はサセナイ…コロス)
その声が聞こえた瞬間!目の前に黒尽くめの忍びらしき人物が立っていた。
(ミツヒデサマ?てめぇー何処の忍びだー?
俺の邪魔をするなー!)
(………マエダ……トシイエ……センメツ…)
(コウホウノ…ヘイ……ハイジョ……カンリョウ)
(いつの間に!どうりで、兵達が来ない訳だ💦)
(クソッ!早く進まねぇーと、もたもたしてられな)いか!)
又左は、槍を持ち替えた。
(ふう〜叔父御に教わった技だが、ここで一撃で決めるしかない!)
(ふぅ~)
又左は深呼吸をし、思い切り降りかかる刹那!
(黒影式反復拳掌 黒虎砲!)
謎の忍びが、奇妙な構えをする。
(なんだ〜あの構えは?ええーい!
喰らえ〜おりゃ~)
忍びと又左の周囲の空気と殺気が忍びの手に集まり
その瞬間!
(ドゥーン!)
(ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン!)
又左の槍が思い切り吹っ飛び、自身も内蔵に大きな打撃を食らった。
(ぐぅぅぅぅー💦あー、ハァハァハァ
声が〜出ない!ハァハァハァハァ
手もブルブル震えてやがる💦)
(くっ!出血もひどい)
ドサ!
又左は倒れ込んだ。
(ニン厶……カンリョウ)
(なんだーなにが起きたー?うざけんなー!
くっそー!たどり…つかなきゃ……信長…様…
ません…)
(ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン!
グサ!)
ZEN-GOの @ponpontan
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ZEN-GOのの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます