詩集
湊雲
器用って不器用だ. ▼1
公開日:2021. 7/12(月)
誰もがどこかで戦っている。そのことに気づいてくれる人がいたら、きっとあなたは幸せ者だ。
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つかれた なにもしたくない
朝 起きるのがゆううつだ
よせられる期待が 重くてくるしい
なんで ぼくなら だいじょうぶだと
なんだかんだで やればできるだろ って
もうききたくないや うんざりだ
確かにぼくは 要領がいいのかもね
器用だね って評価も 間違っちゃいないさ
けど それでも おんなじなんだ
はじめてのことは こわいなっておもう
きんちょうして 手がふるえたり
苦手なタイプの人間と 話すときは
心のなかで 逃げ出したいっておもったり
人並みだろう? 実はそうなんだ
でもみんなは そんなこと知らない
だって ぼくが いってないもの
冗談だろ そんな風にはみえないよ って
返されちゃうんじゃないかってさ
そう 考えちゃうと なんか、さ
ねえ わかってくれるかな この気持ち
いつだって 損をしてる気分がするんだ
うらやましい と 褒められるたびに
胸が ぎゅうっと 悲鳴をあげてる
いっそ ぼくが 不器用だったなら?
たすけてくれるのかな きっとそうかも
携帯の向こうの親友が けらけらと笑う
お前はけっこう 不器用だぞ なんてさ
たすけてって わめいてみろよ なんて
その言葉は ゆっくりと染み込んでく
どうしてだろうか なぜか涙がこぼれたんだ
そんな夜のお話は 優しく溶けてった
迎えた朝日は まぶしくて
ま、 すぐに変われる わけもなく
今日も 明日も 明後日も
きっとぼくは 平気なふりを続けてる
ずっと ずーっと この先も
だけど かまいやしないのさ
それでいいんじゃないの って
器用で不器用な ぼくのこと
認めてくれるやつが いるからね
君はどうかな いるのかな
いない? だったら間違いだ
だって ぼくは知っている
おおきな おおきな この星で
〝器用〟に 泣いてる ひとたちが
目にみえずとも 存在するってさ
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