慟哭
(また産まれたら。)
また?
この願いは憐れだ。
自分で思いながら、矮小さと制限に厭となる。
この偶然なる矮小な生命の誤解。不愉快で不可解な確定性のない生命なるモノ。
妄想と誤解で出来ている。
また。またっ。
またという、真に稀なる偶然を必然であるかのように願う。
なんて。
なんて。
眩いことか。
生命の声はなんて。
眩いことか。
慟哭。
もうどこへも行きたくない。
肉と血液の塊よ。ドロドロよ。
私は死にたくない。
この偶然。手放したくない。
しかし。
灰となる。
煙になる。
烏に喰われる。
土になる。
割れて岩となる。
岩すらも潰されて。
私たちの感覚では理解できない存在となる。
そのように導かれて、あぁ新しい私と誤解する。
世界は世界はなんてなんて。
ピアノの旋律。
知らない国の叔父さんが薄汚い誇りを愛して見出した曲が響く。
自分は生きたいと泣いている。
しかし。
いつか。
死んでしまう。
まだ生きていた。
死ななかった。
次はわからない。
何が待っているかわからない。
それだから。私は。
願いの儚さに涙する。
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