「なぜTVで声優はスベるのか」に関する思いつき

「なぜTVで声優はスベるのか」に関する思いつき

声優の活躍の場はますます広がり、TVへの露出も増えてきた。

そして声優がTV出演した際の独特の空気を見る機会も増えた。

その中で少しばかり思いついた事があるので正誤は別として書いておく。

「じゃあちょっとキャラのセリフ言ってみて」

これをされると声優はほぼ確実にいたたまれない空気の中に放り込まれる。

共演者、観覧者はおろか言うように仕向けた張本人でさえ、「へえ」とか「ふーん」という薄いリアクションをする。

これは何なのか？

何故こんな仕打ちが繰り返されるのか。

私が思ったのは、これは一発芸人へのネタ振りを使い回しているのではないか？だ。

少し想像してみよう。

ゲストに呼ばれたのは一発芸でブレイクした芸人。

司会はただこう言えばいい。

「じゃあちょっとネタ見せて」

芸人は応えるだろう。

見せられるのは少なくとも「ネタ」としてパッケージされているものだ。

観覧者も反応しやすい。笑って見せればいいのだ。

共演者も扱いやすい。笑って見せてもいいし、微妙だったら弄ったっていい。

司会はその反応を見て次の対応をするだろう。もっと盛り上がる方向に。

「一発芸人のネタ見せ」というフォーマットはこういう形で成立している。

次だ。

ゲストに呼ばれたのはアニメがブレイクした声優。

司会はこう言う。

「じゃあちょっとキャラのセリフ言って」

声優は応える。

見せられるものは何だろうか？何かの場面の切り抜きか？名台詞だろうか？少なくとも笑いを取るためのものではないし、こういう所で言うためにパッケージされた「ネタ」でもない。

観覧者はどうすればいいだろうか。

笑えばいいのか？感動的な場面っぽいならしんみりすればいい？拍手でもすればいいのだろうか。

どうであれ観覧者が見せられるのは「ウケを狙っていない事を作った声で言う人」だ。

共演者はどうすればいいだろうか。

拍手喝采で盛り上げるか？作品のファンという立場でフォローはできるかもしれない。弄るのは難しい。どんな場面！？とか何だそのセリフ！なんて言えるだろうか。言えたとしてその先に何があるだろうか。

どうであれ共演者が対応するのは「扱いに困るネタ」だ。

「一発芸人のネタ見せ」というフォーマットにはめ込む事で、声優という存在は確実にスベる存在として成立する。

司会はスベった奴として処理するだろう。

私の思いつきは大体こんなところだ。