異世界転移した俺が、4っのダイヤを守れと言われた件!

クロス

第1話 転移

俺の名前は、八神竜馬(やがみりゅうま) 16歳 桜木高校2年生だ。

身長175cm、成績は中の下くらい(教科によって中の上もある)

運動能力も平均くらい、髪は染めていない。

黒髪を少し上に立てているくらいで、いたって普通の高校生だ。


そんな俺が今、イカツイ鎧を着た兵士達に囲まれている。


辺りを見回してみる。天井には蛍光灯もないし、机も椅子も無い。

確か俺は教室で授業を受けていたはずだ。


それなのにここはなんだ?


天井は高く、大きな柱が何本も立っているし、足元は石畳だ。

まるで西洋の城か教会みたいな印象だ。


状況を理解できずに、俺がキョロキョロしていると、兵士達の後ろから突然声をかけられた。


「よくぞ来た!勇者よ、今この世界の4つのダイヤが魔王に狙われている!そなたの使命はダイヤを守る事だ!4つのダイヤは、月のダイヤ、太陽のダイヤ、星のダイヤ、天空のダイヤ、そのダイヤを守れなければ世界が滅びる!分かったな!?さあ行け!」


いきなりなんだと、声をかけられた方に目を向けると、兵士達の後ろには、いかにもファンタジー世界の王様ぽっいのがいた。しかも超太っている。


金ピカの冠に、赤いマント、ジャラジャラと高そうな装飾品を身に着けている。

そしてはち切れんばかりの腹!油ギッシュな顔面!


「・・・えっと・・・・・はい?」


訳が分からない。いったいなんだ?魔王?なにかの撮影か?


「おお!やってくれるのか!さすが勇者だ!」


デブが満面の笑みを浮かべる!


「え・・・いや、なに?」


「よーし!勇者は引き受けてくれたぞ!皆の者!出立の準備をしてやれ!」


嫌な方向に話しが進む予感がして、俺は慌てて声を上げる!


「いや、いやいやいや!なに!?勝手に決めないで!いつ俺がやるなんて言ったよ!?」


「はいと言っただろう?」


「・・・え?・・・えーーーーー!?」


ちょっ!ちょっと待てよ!?・・・え?さっきのアレ?


俺が、はい?って聞き返したのが、引き受けるって意味の、はい、になったの?


え?こいつマジ?ニュアンスってあるよね?どう考えても疑問形じゃん?

なに?こいつマジ?強引にも程があるよね?頭おかしい!



あまりの急展開に、俺の頭が付いていけないうちに、俺は兵士達に強制連行されて、あちこちで剣やら鎧やら、装備を整えさせられた。


移動しながら、どうやらここが、どこかの城だという事だけは分かった。


そしてあっという間に、勇者として担ぎ上げられた俺は、今城の外に送り出されて

街への街道をとぼとぼ歩いている。


持ち物は、銅の剣(せめて鉄をくれ)に革の鎧。

そしてこの世界のお金、100ゴールド。

ちなみに城で聞いたこの世界の通貨価値だが、宿に一泊して平均10ゴールド程度らしい。


これで魔王を倒せと?この世界の大切なダイヤとやらを守れと?

あのデブ、頭おかしいんじゃねぇのか?



ちなみに、城を出る時の見送りも酷かった。

準備ができたらさっさと行けとばかりに、兵士に押されるように出されたのだ。

なんでここまで扱いが酷いのか理解に苦しむ。


例え魔王を倒しても、この城に帰って来る事はない。

絶対にない!大事な事だから、二回心に誓った!


なんにしてもこうして、俺のダイヤを守る旅が始まった。


ちなみにここはエンジョー国というところで、あのデブは、

オレオーレ・サギオーという名の、この国の王様だった。


あのデブのやり方は、日本だったら訴えれば勝てる。

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