第274話【ネタバレあり】ゴーグル【解説編】
ご覧いただきありがとうございます。
以下、いささかのネタバレを含みます。
ネタバレの苦手な方は、是非、第001話から第100話までの本編をお楽しみの上、再度お越しください。
なお、第十二章~第十九章、第110話~第199話は欠番で、最初から存在しません。
――ここから――
…………、またも沈黙から書き出してしまう。
そもそも、何を言い出すんだという感じではあるのですが、時々ふわっと「あ、外伝でアレに触れてない」と思い出すことがあって、これもその一つ。
ゴーグル部分ですが、一番大事なのは、読み手の方々にとってもっとも「徹攻兵にふさわしい」と思える形状を想起して読んでくださったら、これほどありがたいことはないです。
少なくとも「答えはこれだけ」というつもりはないです。
ただ、作者として読み手に想像しやすい手がかりを提供したいなあ、と思って作者の想定しているゴーグル&カメラ部分の解説をします。
装甲服のゴーグル部分は、民生用のヘッドマウンテッドディスプレイと比べて、ふんだんに光学技術を駆使していてかなり薄型です。
あまり表示技術のことに詳しいわけではないのですが、左右のディスプレイに独立した有機ELディスプレイが使われており、ともに4k×4k相当の解像度で表示します。
ヘルメットの外装も考慮して限られた面積に配置されるため、ディスプレイ部分は曲面に配置されるのですが、非球面レンズとかプリズムとかを駆使して平面に見えるようになっています。
そも、これは作中で述べるべきで、そのうち突然書き足すかも知れませんが、着甲時強化現象が発動している顕現者は、近視遠視乱視老眼の影響から解放されます。
なので、ヘルメットは裸眼で被ります。
ゴーグルの下部、鼻先から頬を通って耳に至るまでのラインに沿うように、ウレタンの壁が顕現者の顔つきに合わせた形に設けられ、呼気に含まれる水蒸気が視界に影響を与えないようになっています。
これ自体、個人装備だからできる微調整なのですが、外装にも個性が強く出ます。
3mほど離れた所のものを人差し指で差して、右目と左目を交互につぶると、大きくずれる方の目と、ぴったりあってる方の目に分かれます。
ぴったりあっている方の目がその人の利き目です
で、顕現者の利き目側には、大型、中型、小型のレンズが配置されており、反対側には中型のレンズのみが配置されています。
左右の中型のレンズは視野角百二十度程度のレンズで、常用、生活範囲用のレンズになっています。
左右で微妙に異なる絵になるので、立体視が可能になります。
左右の目がより目になったりするように、ディスプレイ側のカメラが瞳孔の位置、大きさを追っていて、左右にわずかなアングル調整をすることで、より自然な立体視が得られるようになっています。
また、わざと左右に開くことで、通常の視界域百八十度を超えて、二百四十度ぐらいの左右の広域を視界に入れることも可能です。
とはいえ、徹攻兵はそもそも視界外からの攻撃にも対処できる感覚があり、これはどちらかというと記録用に必用であれば、ということになります。
大型のレンズは超望遠レンズで、焦点距離三千mm相当とか、冗談みたいな望遠が可能なのに民生品のデジタルカメラのレンズと比べて薄型です。
また、照準精度も高く、早いです。
ただし、望遠を効かせる時は鏡筒が、ぐっとせり出します。
いわゆるデジタルズームも併用して、満月の月面で視界を一杯にすることができます。
望遠レンズの弱点は、動く目標が対象の時、視野角から外れてしまうと、どこを探していいかわかりにくいところです。
その点、内側のディスプレイには望遠レンズの拡大画像が映し出されている時、画像の隅っこに、広角レンズの画像をもとに、先ほどまで焦点を合わせて追っていた目標が、いま、視野のどの位置にいて、望遠レンズの拡大域が視野のどの位置にいるかを表します。
顕現者によっては、視界感覚が優れていて、そんなガイドに頼らなくても、望遠狭角のまま目標を追い続けることのできる者もいますが、どちらかというと高世代型装甲服の顕現者に見られる行為で、低世代型装甲服の顕現者はこの広角画像ガイドを活用する顕現者の方が圧倒的に多いです。
とと、ここまで書いてきて「利き目の方には望遠画像が撮され、反対側の目の方には広角画像を撮し、そこに目標と拡大位置のマーカーを表示するのも有りなのかも知れないな、と思いました。
感覚の鋭い徹攻兵なら、左右の目に別々の画像を送られても、使い分けられるだろう、という考えです。
小型のレンズは、マクロレンズや赤外線光源と赤外線レンズ、紫外線光源と紫外線レンズ、強弱二つの可視光源が詰め込める隙間にびっしりと詰め込まれています。
赤外線レンズは衣服の上から肌を撮す盗撮で有名ですが、装甲服の赤外線レンズもかなりしっかりと衣服を透過します。
ただ、徹攻兵のディスプレイ画像は、通信が生きていれば司令部側で録画され、通信が死んでいても各種カメラの画像が最低一時間分は保存されていますので、卑猥な下心を持って赤外線画像に切り替えてると、いずればれて査問にかけられるなど恥ずかしい思いをします。
なにより徹攻兵の視界は徹攻兵個人のものではなく、小隊長や司令部のものなので、誰かからの指示があって切り替えることが多いです。
必用であれば満員の海水浴場でも赤外線カメラを使いますし、必用があれば真っ暗な夜の森の中でも可視光線の視界を使います。
ざっと作者はこんなカメラ群を装備、活用しての活躍を想起していましたが、皆さんはどうですか?
もし、お気に止まりましたら100話までの本編をご笑覧ください
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