第266話【はみ出しその2】着甲による義手義足の自由稼働【解説編】

 ご覧いただきありがとうございます。

 以下、いささかのネタバレを含みます。

 ネタバレの苦手な方は、是非、第001話から第100話までの本編をお楽しみの上、再度お越しください。

 なお、第十二章~第十九章、第110話~第199話は欠番で、最初から存在しません。





――ここから――



 これ、どこかでほんとに入れるかも知れないので「いつまで【はみだし】つづけるの」と思いながら附記します。

 武多も試さなかったことなんですが、人体と同じ構成、つまり人工骨格、人工関節、人工腱を用いて構成させた義手、義足を装着して着甲すると、完全に自由に動きます。

 手足の指も、小指の先に至るまで自由意思で動かすことができます。

 

 先の大戦では、義足を着けて戦闘機に乗り込んだ陸軍の操縦者がいましたが、ペダルを踏み込めればいい、というレベルではなく、何ならパソコンのキーボードも打ちこめます。

 

 ただこれ、入れたくなかった。

 日陰者の徹攻兵って、そこまでしてすることじゃないよね、とか、「そこまでしてでも戦わなければならないほど切羽詰まった状況じゃないよね」という、戦わないといけない理由のさじ加減のなかで、作中では敢えて誰も試しもしなかったのです。

 

 そもそも、構造だけ金属なり合成樹脂なりで作ったところで、普段の生活では飾りでしかない義手、義足なんて誰も作るはずがなく、それをつけてまで着甲しようとするはずも当然無いわけで、誰も試したりしていないのです。

 ただ、二〇三五年~二〇五〇年頃のどこかで、アデル・ヴォルフ機関か自衛隊か、で着想があり実験に成功することにしたいなあと思います。

 

 戦場で、自分の失った右腕を、着甲した状態で動かしながら懐かしむ、そんな徹攻兵悲しすぎるな、と。

 あと、普段の生活の不便さを考えると、いささか負担が大きいと思い描きませんでした。

 そういう描写は細かく描かないで簡単に進めてしまう作品も多いのですが、私の性分だと触れずにはいられないので。

 特に衛生面周りが大変苦労されるのではないかと思う次第です。

 

 例のファイヤー・パンクの世界観では、手足を失ってなおリングに上がる徹攻兵が実現することになるかも知れません。

 そんな描写は本編には一切ないのですが……。

 

 もし、お気に止まりましたら100話までの本編をご笑覧ください。

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